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香杏舎ノート

第323回「丸薬作りの20年」

2004年から丸薬を作りだして20年になる。
私のクリニックでは患者さんの診察と同時にクリニック付属の工場で丸薬を作らねばならない。しかしながら20年の間に生薬そのものが手に入らなくなることが頻回に起こった。

絶滅危惧種 石斛(セッコク)

石斛 出典:栃本天海堂

石斛(セッコク、蘭の一種)は生薬として使えていたが、20年前からワシントン条約で輸入と販売が禁止されてしまった。

絶滅危惧種 (オナモミ)

子供の頃、どこにでもあったオナモミ(ひっつき虫)は絶滅危惧種でどうやら絶滅したようだ。

写真のオナモミは10年ほど前、神戸市の須磨海岸で自生しているのを日笠院長が見つけて持ち帰った。オナモミは副鼻腔炎の特効薬だった。
外来種のオオオナモミは薬としての効果が違うようだ。

白州散 (モグラがとれない)

出典:「黒焼きの研究」(谷口書店)

反鼻(マムシ)、津蟹、モグラの黒焼き(モグラが手に入らないため鹿の角の黒薬を使うところもあるが、本来はモグラだ。モグラは畑を機械で耕作するので、今では見つけるのが難しい。)

白州散は粉で買うことはできない。粉末にしたら元がどんなものか分からないからだ。黒焼きは焼いた形が残っていないといけない。写真は猿の頭の黒焼きだ。

ボトルの写真は白州散コウイカの体内にあるプラスティック状の甲羅を焼いて粉にした(イカ黒と書いてある)ものだ。粉にしてしまえば、どちらが白州散でどちらがイカ黒か分からない。イカ黒にも傷を治す一定の作用があるが効き目は弱い。

傷口に振りかける場合、イカ黒は異物反応でマクロファージが刺激されるだけなのだろう。一方の白州散は飲んでも効く。以前、乏精子症の患者さんに白州散を投与したら精子が正常値まで増えたことがあった。

水蛭(すいてつ)

水蛭(すいてつ)血を吸うヒル(馬ビル)のこと。体のほとんどが水分のため乾燥すると薄い紙のようになってしまう。

水蛭には唾液に含まれるヒルジンに抗凝固作用がある。蛋白であるヒルジンを壊さないように乾燥したヒルをアルコールで消毒後、粉末にしようとしたが、従業員が喘息発作を起こして作れなくなった。

朱砂(シュシャまたは辰砂)無機水銀

古来より鳥居の赤い色の原料。有機水銀ではないので、毒性は低い。鎮痙、鎮静作用がある。使用量は0.3~1.8g 危険なので、使用経験していない。

絶滅危惧種 冬虫夏草

出典:中薬博物館

冬虫夏草はチベット高原でしか取れない。

20年前は1キロ2~3千円だった。今では多くの冬虫夏草ハンターが掘りつくしてしまって形のよい特上品は1キロ数百万円もする。
ただし、高級品でなくとも生薬としての効き目は同じだと考えている。

イカの骨の錠剤 イカの骨の粉末が手に入らない

イカの骨を粉末にして錠剤に打ったもの。水に入れると5秒ほどで完全に細かい繊維状の粒子に分かれる。

この繊維状の粒子は腸に入ってタワシのように腸管についた余分な付着物をこすり取ってくれる。そうすると腸管の機能がよみがえり栄養の吸収がよくなる。

錠剤の打錠の難しさもさることながら、繊維状の粉末が手に入らない。イカの骨を砕いたものが広く売られているが、これを煎じたところでカルシュウムの補充にはなるが、薬としての効果はないだろう。

春ウコンと川玉金(せんぎょくきん)

自家製の春ウコンの錠剤
お酒を飲む前に7粒から10粒くらいで酒酔いを防ぐ

中国ではウコンのことを川玉金と言う。まったく別の生薬だ。春ウコンはタクアンを黄色に染めているターメリックでもなければ中国の川玉金でもなく、ターメリックの亜種で、沖縄で盛んに使われている。

春ウコンを有名にしたのは農水省のお役人だった三沢穰(まこと)氏で、町田の自宅まで訪ねた。酒酔いに確かによく効く。写真は打錠した自家製の春ウコンだ。

沖縄にも調査に出かけた。沖縄ではフグの養殖が盛んだ。フグの餌に春ウコンを混ぜるとウイルス感染で死んでしまうフグの歩留まりがよくなるという話を聞いたが、春ウコンは定義のはっきりしない亜種の植物で、ほとんど研究されていないからどんな作用が他にもあるか分からない。ちなみに紫ウコンとはガジュツのことだ。

生薬を詳しく調べていくと、さまざま生薬が同じ効果があるとして使われている。とりあえず効き目の分かった生薬を使っていくしかない。
ちなみに沖縄の人はナマのウコンをおろし金ですり下ろしながら泡盛を飲むという。

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