第284回「人口の3分の1を国土の3%に集める日本」
日本の面積は37.8万平方キロだ。関東圏は東京、千葉、神奈川、埼玉の11,600平方キロになる。政府はここに1億2000万の人口のなんと3分の1に当たる4千400万人もの人口を集めてしまった。
人口密度は1平方キロ324人から3,450人と日本の平均の10倍の密度になっている。東京23区に限れば1平方キロあたり1万6千人が住んでいるので、500倍の人口密度ということになる。
これほどの人口密度は都市国家のシンガポールやモナコなどを除いては世界に例がない。
東京圏は4,400万人
東京圏の4,400万もの人たちは港区、中央区、千代田区、渋谷区だけを目指してくるから中央部だけが異常な込み具合となる。
そこには高層ビルが乱立している。ビルはオフィス、ホテル、ブティック、住居など雑居ビルになる。
地域 | 人口 | 人口密度(人/平方キロ) |
---|---|---|
日本 | 1億2000万 | 324 |
関東 | 4,400万 | 3,450 |
東京23区 | 980万 | 16,000 |
モナコ | 3万9千 | 26,000 |
シンガポール | 585万 | 8,400 |
バーレーン | 170万2千 | 2,240 |
コロナ後のオフィスを移転する動き
都心のオフィスはとても高くて採算が合わなくなってきた。埼玉県の浦和は東京まで25分で来ることができる。賃料は都心の4分の1ほどで、浦和から通勤している人たちに浦和で仕事をしてもらえば、住んでいる人たちは都心まで通う必要がなくなる。会社には必要な時だけ来てもらえばいい。
人材派遣のパソナは大阪から淡路島にオフィスを移転した。無論、強制ではないが、将来的にはすべての従業員を移す予定だ。
本州四国連絡橋が通っているので、夜中でも神戸や大阪まで帰ることができる。こうすることで経費を節約し、効率よく働くことができる。
異常な中央4区
弁護士4万人のうち6千から7千人が中央4区で働いているが、荒川区や中野区には弁護士は20人しかいない。
ほとんどの放送局、大使館なども集中している。どうしてこんな状況になったかというと、政治家の最大のスポンサーは建築業界で、不況を乗り切るためにタワービルを建ててきたからだ。
ローマンコンクリート
1500年前のローマ時代のコンクリートは今でも使われている。火山灰や海水を混ぜ作られたコンクリートは、今でも強度を増しているという。
日本の鉄筋コンクリートは鉄筋が錆びて膨らみ、コンクリートを割るので、100年はもたない。
ビルの塗り替えが400万から720万に高騰
親戚の叔父は2年前、ビルの塗り替えを業者に頼んだ。見積りは400万だが、実際には720万もかかった。人手不足と職人の高齢化、さらに資材の高騰が原因だった。
これから日本ではビルだけでなく橋や水道管などのインフラの修理に莫大な費用がかかるようになる。
アルミを使っていたワールドトレードセンター
ワールドトレードセンターに旅客機が突っ込んだ事件は同時多発テロとして記憶に残っているが、ビルが崩落したのはビルを軽くするためにアルミが使われていて、それが熱によって溶けだからだ。
ちなみに100年の歴史の中で、1度だけエンパイヤ―ステートビルに飛行機が突っ込んだことがある。しかし、重量鉄骨で出来ているので、飛行機が突っ込んだその階の一部が壊れただけだった。
阪神淡路大震災で低層階に住もうと決心した
私は阪神淡路大震災で被災した。中心部に住んでいたが、マンションは幸いにも被害を免れたが、ガスと水道が止まった。
水は近くの農業用水を分けてもらうことできた。電気が来ていたのでエレベーターで水を運ぶことができた。もし10階に住んでいて電気が止まったら、水を運ぶことができないから、トイレも流すこともできない。
東京で住んでいるのは4階で、高層には住もうとは思わなかった。人口が老齢化し、すべてのインフラに修理が必要な時代、できるだけリスクを減らしていきたいと思う。
- 第284回「人口の3分の1を国土の3%に集める日本」
- 2023年12月01日
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