【 漢方・整体施術 治療症例 】
69.マタギ(猟師)から学ぶ足首の捻挫治療
マタギが猟のために山に入る。斜面を上り下りしている時に足を捻挫してしまう。すると里山まで歩いて帰ることができなくなる。
そこで簡易な捻挫治療法が伝わっている。
施術法
捻挫した人をうつ伏せにして寝かせ、太ももが持ち上がらないように足の裏で押さえる。この時、太ももを強く押さえすぎると痛いから固定するつもりで軽く踏みつける。
そして捻挫した足首を両手で抱き込むように持ち、足関節を持ち上げて引っ張る。
大切なことは足首の角度を変えないように持ちあげることだ。角度が変わると患者さんが痛がるので、まったく痛くないようにまっすぐに持ち上げる。するとずれていた足関節が腓骨と脛骨の間におさまる。
正常な位置に足関節が収まったところで副木を作って足首を固定してやると歩いて里山まで下ることができた。
現代にも役立つ治療法
60歳男性が11日前に階段から落ちて右足を捻挫したが、痛みが取れないといって受診した。整形でレントゲンを撮ったが脱臼も骨折もないとのことだった。サポーターを巻いて、湿布だけの治療しか受けていない。
そこでこのマタギの治療法を使ったところすぐに痛みが取れてサポーターなしで歩けるようになった。
整形外科の先生はレントゲンから関節のずれはないと判断しているのだが、じつはわずかにずれている。これを関節偏移と私は呼んでいる。関節偏移を治すと、すぐに症状が取れる。
私は漢方医なので、さすがに受傷直後の患者さんを診ることがないが、捻挫の人が来ると何度かこの技術を試す機会があったが、すべてうまくいった。わずかなずれが触診で分からなくても、痛まないように引っ張ってやればいいだけのことだから誰にでもできる。
本で見かけた足関節治療法
捻挫の場合、関節周りに炎症があり腫れているので、写真のように術者の大腿部で膝裏を抑えて足関節を引っ張る治療法はほとんど役に立たない。
足首を優しく包み込むように持ち、背筋を使って思いっきり引っ張らないと関節は動いてはくれない。
この患者さんはほぼよくなったがまだ痛いという。整形でCTを撮ったところ距骨にヒビが入っていたというが、2度目の治療でほとんど痛みはなくなった。
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69.マタギ(猟師)から学ぶ足首の捻挫治療 - 2022年04月10日

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