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香杏舎ノート

第98回「癌治療と休息」

あるとき乳癌の患者さんが来診した。年齢は90歳。高齢なので漢方のみで治療したいという。癌を診断した病院の先生も高齢ゆえに抗癌治療を勧めなかった。こういった事情から漢方だけで治療することになった。漢方を投与しながら患者さんの癌を触診すると、癌が大きくなったり小さくなったりすることに気がついた。薬を飲みはじめた頃に癌は縮小したが、その後大きくなったり小さくなったりしながら次第に大きくなっていった。そして5年後に患者さんは亡くなった。その間、癌による痛みもまったくなく、患者さんは元気に暮らすことができた。癌は老化による免疫の低下から時間をかけて大きくなったのだろう。それにしても癌の治療を初めた頃、癌が大きくなったり小さくなったりしたのは何故なのだろう。薬が効いて次第に小さくなって欲しいのにと思った。

しばらくしてアゴに癌ができた患者さんがやってきた。ちょうど熟れたイチジクが下アゴについているような感じだった。この患者さんは現代医療から見放されていたから漢方だけで治療することになった。薬を飲みはじめてしばらくすると、癌は小さくなった。患者さんの奥さんも確かに漢方が効いているようだという。だがストレスがたまると癌が大きくなる。癌は患者さんの経営している会社の景気が悪くなると大きくなり、落ち着いていると小さくなる、そんな感じで変化すると奥さんは言う。この患者さんは会社が解散に追い込まれると同時に亡くなった。

漢方薬だけを投与し、癌を直接観察したこの2つのケースから私は疲労やストレスで癌が大きくなるのではないか、そんな印象を持つようになった。

疲労は禁物

疲労やストレスは確かに癌に悪いようだ。無理をしたために癌が悪くなる症例を私はずいぶん見てきた。私の診療所に通っていた胃癌のドクターがいた。手術を受けたが大腸にまで癌が浸潤していて完全に取りきることができなかった。だがドクターは奇跡的に回復した。「元気になったので、仕事に復帰して毎日診察したい」とドクターはいう。私は毎日の診察は疲労がたまるからと反対したが、反対を押し切って働き出した途端に癌が悪化した。またある医学部の教授の息子さんは、胃癌がリンパ節転移していたにもかかわらず、漢方と抗癌剤治療で順調に経過していた。だがやはり仕事に復帰した途端にリンパ節が腫れあがった。

安静の大事さ

考えてみればどんな病気にも安静が大事なのは言うまでもない。医療が発達した現在、安静や休息といった養生の重要性を誰も言わなくなった。それは医学の進歩から養生をしなくても病気が治るようになったからだろう。例えば昔は結核の治療は安静と転地療法しかなかった。ストマイといった抗生物質によって結核が治るようになると養生は軽視されるようになった。癌といった難しい病気の場合、安静は今でもとても大事なことだと思う。ことに癌患者さんの場合、少しでも病気がよくなれば[動き回ることで癌を忘れたい]と思う気持から安静をおろそかにしてしまいがちだ。

抗癌剤と漢方薬の違い

癌に対する西洋医学の治療はとても攻撃的だ。抗癌剤は正常な細胞も癌細胞も区別なく攻撃する。だから毛が抜けたり白血球が減少したりする。癌と正常細胞の両方を叩いておいて、正常細胞のほうが早く元気になることを利用して癌細胞を減らしていく。
抗癌剤の治療を3クールとか4クールとか言って何度も休憩を挟んで行うのはこういう理由からだ。手術も放射線治療も悪い細胞だけを取り去ることができない。だから患者さんの負担が大きい。その点、漢方薬は副作用がない。多くの治療経験から私の漢方薬は癌を直接攻撃するのではなく、体の免疫力を上げて体の免疫力が癌と闘うように作用していると思う。せっかく漢方で元気になってもそれを仕事やストレスで消耗してしまっては漢方の効果を活かすことができない。

漢方の効果

もう10年以上も前のことだが大阪で漢方の市民講座が開かれた。主催者は有名な大学の薬学部だった。そこの演者として漢方を教えてくれた山本先生とともに招かれた。講演の終わりに司会役の薬学部の教授がマイクを取り話はじめた。「私は肝臓癌の患者です。肝臓内にも転移があったが山本先生の漢方薬を飲んでから癌が消えてしまった。癌が本当になくなったかどうかわからないが、もし癌があったとしても癌と共存していけばいいのではないか」と言った。この話を聞いて会場にいた数百人の聴衆は水をうったように静まりかえった。山本先生の診療所には多くの癌患者が通っていて一定の効果を上げていたようだ。

私の意見

漢方で癌を治療する場合、歩けるほどの体力が残っていることが必要だ。また食欲も普通にないと薬が飲めない。治療は漢方単独ではなく、西洋医学の治療と併用すべきだと思う。漢方薬には副作用がないといったが、抗癌剤のような作用のある漢方を使う先生もいるので、治療にあたっては確認しておく必要がある。それと繰り返しになるが漢方治療であれ、西洋医学だけの治療であれ、疲労をためないようにして欲しい

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