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香杏舎ノート

第96回「虫刺されと体質」

もう20年くらい前、新築のマンションに引っ越した。引っ越したのは4月ころだった。昼間は閉めきって仕事に出かけ、夜に帰って窓をあける、そんな生活が続いた。6月になり梅雨が始まると、湿度の高い日が続くようになった。しばらくして梅雨ももうそろそろ終わりかという頃、夜中に痒くて目がさめた。電気をつけてみると、背中から脇腹にかけて数十ケ所、虫刺されの跡がある。昼間に窓を閉めきった状態が続いたので湿度が高くなり、ダニが繁殖したのだろう。

とりあえず煙の出る駆虫剤を焚いて掃除を徹底したら噛まれなくなった。噛まれた跡の発疹も痒みもなくなったある日、また夜中に数十ケ所噛まれてしまった。新築のマンションはコンクリートの乾燥が悪く、窓を閉めた状態で使いはじめると室内の湿度が高くなってダニが湧くことがあるという。こういう状態に梅雨が重なったためにダニが異常発生したのだろう。

だが不思議なことに、噛まれるのは私だけで家族は無事だ。ダニが増えているのなら全員が被害にあってもよさそうなものなのにと不思議に思った。

お客さん病

何故、自分だけ噛まれるのだろう。そんな疑問を抱きながら暮らしていたある日、先輩の漢方医が患者さんと話しているのが耳に入ってきた。「南京虫に噛まれると2つ並んだような噛み跡ができます。『この2つ並んだ噛み跡』をお客さん病と言ったりするんです。南京虫のいる家に泊にいくと、噛まれるのは泊にいったお客さんだけで、家の人は噛まれない。だからお客さん病と言うんです。でもほんとうは家の人も噛まれているんですが腫れ上がらないんです。」

こんな会話を耳にして、「そうか、誰もがダニや南京虫にはかまれるのだが、免疫の状態によって噛み跡が残る人とそうでない人がいるのか。私だけがダニに噛まれていたのではなく、みんな噛まれていたのだ。だが腫れて痒くなるのは私だけだったのだ」と分かった。

解毒証体質

虫刺されに弱いこのような過敏な人を解毒証体質という。解毒証とは食べる割には太らない、新陳代謝の高い人だ。外見的には痩せていて色は黒く、落ち着きのない感じがする。解毒証の人はアトピー、鼻アレルギー、喘息といったアレルギーの病気にもなりやすい。

解毒証の人は蚊にも刺されやすい。蚊が人を刺すときに目標とするのは、皮膚からの放射熱と炭酸ガスだ。だから体温が高い人は蚊に刺されやすい。それだけではない。やはり蚊に刺されてもあまり痒くない人と痒がる人がいる。蚊が近寄ってくるかどうかは体温や炭酸ガスの排泄の程度で決まり、痒いかどうかはアレルギー体質かどうかで決まる。解毒証体質の人は痩せの大食いタイプ、つまり食べた物が身につかず熱として消費される体質だから体温は普通の人より高い。高い体温が蚊を集めやすく刺された跡の痒みも強いものだから、蚊が一匹部屋の中を飛んでいるだけでギャアギャア騒ぐし、蚊の飛んでいる音を聞いただけで眠れなくなってしまう。ひどく蚊にアレルギーのある人は刺された跡がはれ上がって水疱ができたり、ショック状態になって生死の境をさまようほどの人もいるという。

アレルギー体質

刺激に対して普通の人とは違った反応を起こすのをアレルギーとよんでいる。杉花粉を吸い込んで鼻水が出たり、鯖を食べて蕁麻疹が出たりするのはアレルギーだ。漆かぶれのように誰でもが反応するものはアレルギーとは言わない。

虫に刺されやすいのも体質だと分かると面白い。アレルギー反応は免疫細胞の働きとして説明できるのだが、こういうアレルギーを起こす体質があることは知られていない。この体質の人は特に蜂に注意してほしい。スズメ蜂などの強い毒には普通の人以上に反応してしショック状態になる危険があるからだ。

アトピー

アトピーの患者さんの皮膚をみているといろんな形の湿疹があるのに気づく。肘や膝、首などの曲がるところだけに湿疹のある人、顔だけの人、全身に湿疹のある人など様々だ。アトピーの中で一番治りにくいのは虫刺されのような皮膚になっている人だ。今までの経験からこういう患者さんはダニに強いアレルギーがある人なのだろうと想像している。

私の感想

体質を無視しては治療も病気の予防もできない。私は解毒証体質だが、典型的な解毒証体質というわけでもない。少し別の体質が混じっている。漢方薬を使うとこういった体質をある程度改善することができる。難しいのは、どのくらい別の体質が混じっているかを見極めることだ。太っている解毒証の人もいたりする。

【お断り】
解毒証体質は、森先生という漢方医が作られた体質分類です。もともとの体質の定義を拡大解釈しているため、オリジナルの定義とはニュアンスの違いがあります。

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