第348回「日笠穣院長のオステオパシーを学ぶ」
古賀正秀先生の直弟子は日笠医師しかいない
古賀正秀先生は30年前の1996年に亡くなり、古賀先生や弟子である石井百合子先生から直接オステオパシーを学んだ人は日笠医師しかいなくなりました。古賀先生の作った全日本オステオパシー協会は分裂を繰り返し、柔道整復師などがオステオパシーを行っていると宣伝しています。しかし、どれほど正確に治療できているか疑問です。
イギリスのオステオパシードクターの指導を受けた柔道整復師がオステオパシードクターの資格があると称していることが多いのですが、イギリスでもオステオパシードクターの国家資格は存在しません。
古賀先生は研修会で無茶な治療を受けて腰に障害が残った
全日本オステオパシー協会の研修会で実技を教えるためにモデルになった古賀先生の体を、オステオパシー協会の会員が無理に捻ったために先生は腰に障害を受けました。
研修会では病気の人を治療するのではなく、健康な人をモデルとして使うので、こういった事故が起こることがあるのです。
日笠医師は九州の東唐津や東京の上野の古賀先生の診療所で施術を学んだ
古賀先生と弟子の百合子先生は飛行機ではなく、新幹線で九州と東京の上野の診療所を行き来していました。沢山の荷物を持って移動するのは新幹線のほうが便利だったようです。
古賀先生が亡くなった後、日笠先生は新神戸駅にあった新神戸オリエンタルホテル(現ANAクラウンプラザホテル神戸)に石井先生を招いて施術を教えてもらう機会があり、また石井先生に呼ばれて東唐津まで治療を学びに出かけてこともあります。その時、モデルが必要だと言われ、知り合いのM君を連れて行きました。すると、石井先生は彼を裸にしてマジックで背骨の位置を書き込み、治療の仕方を日笠先生に教えました。石井先生は虹の松原という景勝地の電気屋のお嬢さんです。
日笠医師の内臓疾患治療の経験は古賀先生より多かったかもしれません
戦前、古賀先生は東京にある石井先生の親戚である藤井整形外科の院長代理をしていました。日笠医師よると、古賀先生はどんな内臓疾患の患者も治せたけれど、古賀先生の治療を受けに来る患者さんは骨関節疾患が多かったのではないかと言います。何故なら一般の人は、オステオパシーと聞くと、骨関節疾患を治す治療と思うからです。
一方の日笠先生は古賀先生の書かれた図譜(下記参照)を見ながら内臓疾患の治療だけにオステオパシーを使って治していました。
古賀先生の施術師としての資格は東中野にあった吸い玉の学校で学んでいます。その後、古賀先生はオステオパシーの教科書の翻訳を数多く手がけています。石井百合子先生は昭和53年から記録していた古賀先生のオステオパシーのビデオ10本を全日本オステオパシーの会長ではなく、日笠医師に託しました。
谷口書店ではこのDVD8巻を5万3800円で売っていますが、残念ながらビデオの数も少なく、石井百合子先生が解説する重要な部分が抜け落ちています。
吸い玉治療
吸い玉治療は真空ポンプを使ったりしません。直径5センチほどの陶器の中をアルコール綿で濡らしてすぐに火を消し、その真空になった状態で皮膚に押しつけて吸引します。何度か見せてもらいましたが、とても難しい技術です。無論、刺絡などしません。陶器の暖かさと真空による吸引力が瘀血を皮膚に集めます。古賀先生は陶器を外す時に、皮膚から毒素が出るので、臭いと言っていました。
オステオパシーを継承する会【講師は鍼灸師】
日笠医師は丸薬の研究と治療に忙しいからオステオパシーの技術を伝承し欲しいと従業員に依頼しました。そこで従業員の有志がオステオパシーを継承する会を作ることになりました。日笠先生はクリニックの仕事が終わった後、従業員にフリーランスとして働くことを推奨していますので、従業員達は自宅を拠点とする所定の手続きを済まして日笠医師のいない時にでも施術が行うことが出来るようにしました。
つまり、講師はクリニックに勤める鍼灸師です。
何故、施術で内臓疾患が良くなるかについては、内臓を動かす交感神経が脊椎の間から出ているので、神経が圧迫されると臓器の機能異常が起こるからです。脊髄からの交感神経の分布図譜を載せておきます。施術で骨関節疾患だけでなく、無論、内臓疾患も治します。ビデオを参照ください。
オステオパシーの施術を希望される人は、下記フォームにご入力の上、クリニックまでお問い合わせください。
| 施術申し込み | Google フォーム (診療のお問い合わせ) |
|---|---|
| 電話:03-6228-6763 | |
| 施術費用 | 1回 6,000円 |
【注意】
まったく健康な人は治療を体験できません。何か症状のある人、例えば肩こりや胃が悪いなどの症状のある人に限ります。
さてオステオパシーを継承する会の鍼灸師たちは、施術経験のない人が施術を何度も受けるうちに自分もオステオパシーの治療師になりたいと希望があった場合にどうするかを話し合っています。
その場合は10回から12回程度の指導でオステオパシーの基礎を教えると結論づけたと聞いていますが、これに関して日笠医師は全く関与していません。
- 第348回「日笠穣院長のオステオパシーを学ぶ」
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