第174回「新神戸駅から400メートルにある滝」
新神戸駅の北側のプラットホーム、つまり東京方面の上りのプラットホームになるのだが、そこから山側の下を覗くと清流が流れているのが分かる。
新神戸駅の駅舎の下をくぐるように渡ると、川に沿った山道が始まる。
そこを400メートルほど上ると布引の滝、雄滝がある。2段に分かれている高さ43メートルの滝だ。
全国的に見て決して大きな滝ではないが、市街地からすぐのところに滝があるのが面白い。
他にもいくつかの滝があり、歩いていても退屈しない。山道には流れる水の音が響いてきて、マイナスイオンに包まれる。
そこから30分ほど歩くと貯水池があり、その上に神戸布引ハーブ園がある。新神戸駅の近くからロープウエイが出ているので、それに乗ると歩かずに行くことが出来る。
ハーブ園ではコンサートが開かれていた。日曜日なのにそれほど観客が多くはなく、のどかな時間が流れていた。

帰り道、蛇を見つけた。子供のころシマヘビやヤマカガシを捕まえてよく遊んでいた。石垣の隙間に逃げ込むヘビの尻尾を手に巻きつけて引っぱりだし、ぐるぐる回して友人めがけて投げつけた記憶がある。
この蛇はヤマカガシの一種だと思った。
ヤマカガシの表面の模様には個体によってばらつきがあり、鑑別が難しい。マムシではないと思ったのだが、家に帰って調べるとひし形の模様の中に目のような点があるのがマムシの特徴だと書いてあった。危険なので処分しておけばよかった。
新神戸駅から山道を下って約1時間半の散策になった。
そこから地下鉄に乗り、3駅目の大倉山で降りた。時間にして10分くらい。駅から1分の所に昔の診療所がある。事務所として今でも使っているのだが、そこでしばらく仕事をした。
お腹も減ってきたし、海も見たくなったので、南に歩いていくと、ハーバーランドという商業施設がある。20分ほどで桟橋についた。板張りの桟橋が心地よい。
桟橋の向かいには潜水艦がドックに入っていた。写真でははっきりしないのだが、黒い船体に旭日旗が印象的だ。
ここからメリケンパークを散策して元町で夕食となった。
全国どこにでも滝はあり、しかも布引の滝は大きいほうではない。またどこにでもハーブ園はある。
広島県の呉には自衛隊の軍港があり、潜水艦が何隻も停泊している。
一つ一つのものは全国どこにでもある。だが神戸の面白い所はそれらがきわめて近い場所にあるということだろう。
三宮駅から新神戸駅まで歩いても精々20分だからとても近いことが分る。
神戸の異人館、中華街である南京町もこの地図の中に含まれる。ほとんどが徒歩圏だ。神戸は小さなエンターテインメントパークのような所だといえるかもしれない。
- 第174回「新神戸駅から400メートルにある滝」
- 2017年04月20日
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