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香杏舎ノート

第66回「記憶力」

紙とか筆といった記録する道具がなかった時代、知識を留めておく場所は自分の脳しかなかった。だから必要なことは記憶しておく必要があった。畑に種をまく時期、薬草の種類といった日常の知識はもちろんのこと、地名や方角、祭りの仕方や民族の歴史まで覚えていた。こんな時代、記憶力のよい人間は貴重な存在だったに違いない。経験豊富で記憶力のよい年配者は尊敬を集め、その人の元には知識を求めて多くの人が集まってきた。

紙が普及しても記憶力のよい人の価値は変わらなかった。どの本のどんな所に何が書いてあったか、そんなことは記憶のよい人にしか分からないし、紙は日常で気楽に使えるほど安いものではなかったからだ。

記憶力の低下

最近、私は簡単な漢字が書けないことがある。どんな漢字かは思いだせても正確な綴りが思いだせない。考えてみると字を書くことがほどんど無い。本や講演の原稿などの文章を書くことは多いのだがワープロで書く。手書きで書くことは無くなってしまった。だから書けないのだ。私のような思いをしている人も多いに違いない。

それだけではない。電話番号も思い出せない。電話番号はすべて携帯電話に記憶させてある。かかってきた電話番号の一覧を見たり、携帯電話の中の電話帳を使って電話をかける。だから番号を覚える必要がなくなってしまった。おまけに手帳に書き込んである予定さえ見なくなくなった。携帯電話があるから電話をかけて予定を確認できる。そんなわけで私の記憶力はどんどん衰えてきた。

地名や方角はカーナビが教えてくれる。分からないことはインターネットで検索する。記憶の多くをコンピューターが助けてくれるようになった。自分の記憶力の低下を棚にあげてこんな話をするのも変なのだが、私のようなもともと記憶が悪い人間には大変暮らしやすい時代になってきた。こういうITの進歩に反比例するように記憶力のよい人の価値はどんどん下がってきた。「あの人は博学だとか、記憶力がよい人だ」といった誉め言葉も最近はあまり耳にしなくなった。

知識に対する要求の変化

人間には記憶力以外にも様々な能力がある。理解力、創造力、推理力、分析力などだ。こういった能力の中で、記憶力は衰えていく運命にあるようだ。すでに相当に衰えてしまった能力もある。それは計算能力だ。電子計算機が100円程度で売られる時代になると、紙の上に数字を書いて掛け算をすることもない。買い物をしてオツリを貰うときでもレジで釣銭が表示されるから引き算もしなくなった。現代人の計算能力はすでに相当に悪くなっているのだ。

円周率が3では困る

学校教育では暗記が悪の根源のように言われてきた。おまけに計算能力すらいけないと考えられるようになってきたようだ。我々は円周率を3.14と学んだ。ところが学校では円周率を3と教えるという。さらに複雑な計算をするときは計算機を教室に持ち込んでもいいらしい。たしかに日常生活で円周率を正確に記憶しておく必要に迫られることはないし、複雑な計算をする必要もない。だからといってただでさえ衰退していく計算能力を弱めるような教育をしていいものなのだろうか。計算能力と記憶とは無関係に思われるが、じつはそうではない。計算能力には記憶が必要だ。たとえば掛け算ではくり上がった数字を記憶しておく必要にせまられる。計算は記憶力を鍛えるいい訓練になるのだ。

記憶力を鍛えなくとも創造力、理解力があればいいのだということなのだろう。しかし記憶力だけが能力として単独で存在するわけではない。「記憶と理解は車の両輪のようなもので、記憶がなければ理解は進まないし、理解がなければ記憶も難しい」と記憶術の本を書いた渡辺剛さんは言っている。確かにそのとおりだと思う。能力は、複合して存在するものだ。記憶力を鍛えなければ、すべての能力の低下に繋がるおそれがあるのだ。

基礎医学で解剖を習うとき骨や骨の各部の細かい名称をラテン語で丸暗記させられる。意味のないことのように思えるが、形をしっかりと理解するためには名称を覚える必要がある。名称を覚えないでは複雑な形を理解できない。骨には筋肉が付着する場所、神経の通る穴や溝がある。名称は忘れてもそういった場所がどの辺にあるかという理解は記憶を通してでしか明確にはならないのだ。

私の感想

足が丈夫で速いという能力、つまり健脚というのも昔は財産だったに違いない。とくに飛脚という職業には是非とも必要な身体能力だった。車や電車などの交通機関が発達した現代では必要ない能力かもしれない。だが、歩かないと高血圧、肥満、糖尿病になるだけでなく、足腰の筋肉が弱れば長時間の座り仕事さえできなくなる。やはりどんな時代でもある程度の脚力は必要だ。すべての身体能力を一定のレベルに保っておく必要があると考えている。

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