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香杏舎ノート

第110回「冷え性とテレビゲーム 」

冷え性について文章を初めて書いたのはもう十数年前、漢方薬メーカーから頼まれてのことだった。その当時、冷え性には漢方がよく効いた。患者さんが自覚しない冷えが様々な病気の原因になっていることも多いので、冷えをどうとらえて、どう治すかが漢方医の腕のみせどころだと書いた記憶がある。
最近は冷え性の患者さんが来られても以前ほど簡単には治らない。また冷え性は若い男性にも広がってきている。なぜなのだろう。

冷えの原因

もともと冷え性とは、通常の人以上に冷えを自覚することにある。冷え性が起こるには3つの要素がある。胃の丈夫さと運動、そして血流の3つである。

1、胃の丈夫さ
食べ物は消化吸収されて体を動かすエネルギーになる。胃腸が丈夫であればたくさん食べるからエネルギー産生も高くなる。胃は体を温めるストーブのようなものだ。だから薪をたくさん燃やせないストーブ、つまり食の細い人は冷え性になる。また冷たいものを大量に、たとえばビールなどを飲む人も体を中から冷やすことになるので冷え性になる。
2、運動
運動と体温は深い関係がある。寒いと自然に筋肉が震えだす。寒さを防ぐために筋肉が収縮と弛緩をくり返して熱を発生させるのだ。体を動かすと体が温もる。定期的に運動する人は基礎代謝が高くなり、体温も高くなるから冷えを自覚しない。
長時間にわたって筋肉運動をすると体温はどう変化するのだろう。マラソンのような長時間の筋肉運動では体温が上昇して38度を超えるようになる。筋肉は熱を産生させる器官だから、筋肉の発達が悪い人は冷え性になる。
3、血流
血液は体温を体の隅々まで運ぶ働きをしている。血流が悪くなれば冷え性になる。指の根元を紐で縛って血の流れを止めると、指先は紫色になり、冷たくなる。血流は温水暖房のように体を温める作用がある。血流が悪いことを漢方では血(おけつ)と呼んでいるが、血体質の人は冷え性になるし、手や足の指にシモヤケを起こす。
4、その他
上の3つの要素以外にも水太り体質の人は体に水分が多いために冷えやすい。また手足に汗をかきやすい体質は、足の裏に汗をかくから冷え性になる。

何故、冷え症が増えたか

十数年前、テレビゲーム機が発売されてから子供が外で遊ばなくなった。レンタルビデオや携帯電話の発達で、遊びとはビデオを見たり、ゲームをしたり、携帯で友達とおしゃべりしたりすることになった。

こういう状況の中でスポーツを楽しむ人はどんどん減少している。スキー場は正月でもガラガラだ。ゴルフ場も以前に比べてずいぶん空いている。スポーツを楽しむ若い人の姿をあまり見かけない。大人になるとスポーツをする機会はますます減ってしまう。不景気が災いして実業団などの運動クラブはどんどん閉鎖に追い込まれているし、毎日運動できるほどに早く帰宅できる人は少ない。

患者さんと話をすると、ここ10年も20年もの間、運動らしい運動をしたことがない人が多い。私は冷え性の人に「真冬にでも汗をかくような運動をしたことがありますか?」と訊ねることにしている。汗をかくような運動をしない限り基礎代謝は低く、血流も悪いままだ。こんな人に漢方薬を投与しても冷え性は治らない。薬だけではどうすることもできないのだ。

私の感想

私は時々ゴルフに出かける。18ホールをスルーで(途中でお昼ご飯を食べることなく続けて)回る。途中で10分ほどの休憩を入れても3時間半で1ラウンドを終える。ゴルフカートには乗らず、すべて歩いてラウンドするからいい運動になる。

昔はゴルフなど運動にならないと言われたものだが、もともと運動が苦手な私には結構大変な運動に思える。冬の寒い時期、スタート時の最低温度はマイナス6度にもなる。そんな気温の下でも3時間半歩くと、汗をかく。もしゴルフというスポーツなしにそんな気候の中で8キロから10キロ歩けと言われても私にはできない。

スポーツの良いところは、意識しないで運動できることだ。テニスにしろ登山にしろスキーやウインドサーフィンでも遊んでいるうちに運動になる。運動そのものを目的としてジムに通っても長続きしないのはゲーム性がないためだ。ただ、スポーツが楽しくなるためには、ある程度の期間、忍耐しなければいけない。どんなスポーツも半年くらいは我慢しないと面白くならない。今の若い人たちはその忍耐ができずにいるのではないだろうか。またスポーツをするためには他人とも付き合わねばならない。それも嫌だから自分だけでできるゲームにはまるのではないかと思う。若い人には少ないはずの冷え性が増えてきたのにはこんな理由があるのだと思う。

毛布は体を温めてくれる。でも氷屋さんは氷を運ぶときに溶けないように毛布をかけて運ぶ。体自体が発熱してくれないと、毛布も意味をなさない。

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