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香杏舎ノート

第145回「瀉血(刺絡)」

初めて瀉血を見たのは漢方の師である山本巌先生のクリニックを見学に行ったときのことだ。
患者さんが1メートルほどの台の上に置かれた椅子に座らされている。椅子の下にはタオルが引かれていた。先生が鍼で足を刺すと血が一本の流れとなって落ちていく。患者さんが楽になるからもっと刺して欲しいという。何本もの流ができ、下に敷いたタオルが絞れるくらいの血溜りができた。

刺絡

刺絡するにも細絡(さいらく)と呼ばれる血管が浮いたところを刺すのだが、どこがいいかは、やはり経験がものをいう。

漢方には瘀血(おけつ)という考え方があり、体に溜まった不要な血液を取り出すことで病気を治そうとするものだ。皮膚を切開して血を出す瀉血(しゃけつ)、正式には刺絡(しらく)というのだが、この方法以外に薬で瘀血を治す方法もある。

刺絡する場所はどこでもいいわけではなく、悪い血が溜まった場所を効率的に刺して出血させてやるとよい。血の溜まった場所は血管が拡張しているが、その中でも最も血が溜まった場所を効率的に刺さねばならない。そういう場所を見つけるには経験が物をいう。

私は刺絡で不整脈、関節炎、喘息などを治してきた。無論、肩こりや腰痛にもいい。刺絡は単に皮膚を切開する方法と写真のように吸い玉を用いて血を吸いだす方法がある。

皮膚に陰圧をかける方法を吸角(きゅうかく)治療という。
今はないが、昔は東京に吸角の学校があり、吸角だけの治療を教えていた。そこの卒業生によると皮膚を切開して血を出すのは邪道だという。吸角だけをかけるとキスマークではないが、皮膚に陰圧がかかるので、内出血が起こる。この内出血が吸収される時に様々な生体反応が起こり、これのほうが血を出すより効果があるという。
またポンプやゴム球で陰圧にするのではなく、アルコールを燃やして容器内を真空にするほうがいいとのことだ。

吸角治療吸角治療の実際

陶器でてきた容器に少量のアルコールをいれて内壁につくように回す。容器の口についたアルコールを布で拭き取り、ロウソクの上にかざすとボーっと火がつく。それを息で吹き消して皮膚に押し当てて吸着する。素早く押し当てないとアルコールの燃焼で陰圧になったところに再び空気が入り皮膚に引っつかない。またアルコールのふき取りが悪いとアルコールが垂れてやけどをする。

20年以上にわたって刺絡をする瀉血治療を行ってきて、様々な体験をした。
ある患者の背中の血管を刺すと血が1メートルくらい吹き出し、私の白衣は血だらけになった。そこに吸い玉を当てると10秒くらいで容器が血液で満たされ、何度も何度も容器を変えて血を吸いださねばならなかった。
血液が皮下に多く溜まっている人は、刺すだけで血が噴き出すことは少ないが、陰圧をかけると切り口から血が吹き出しガラスの容器に線を引いて当たっているのが観察できる。

昔に比べ瀉血は大変な作業になった。それは血が汚染されていることがあるからだ。健康な人の血液は清潔なものだが、一見健康に見えるひとでもエイズや肝炎に罹っていれば、その人の血液は病原菌を含んでいて感染する可能性がある。

血が容器を満たすと吸引力が落ちて外れてしまうことがあり、そうなると、そこいら中に血が飛び散ってしまう。使用したガーゼ、ティシュは大量になり、医療廃棄物として処理しなければならない。容器の消毒が最も大変で、何度も消毒液につけて大量の水で洗う必要がある。容器のゴムは消毒液に弱いので、長くつけるとすぐに吸引力が落ちてしまう。

神戸から東京に引っ越しをする時、東京でも刺絡ができるようにしようと考えていた。
だが、都心のビルのほとんどがオフィスビルとして建てられているので、こちらが望むような水回りをつくることができない。診察室や薬局の手洗いを作るのが精一杯で、刺絡専用の水回りは望むべくもなかった。それどころか多くのビルが土日はオートロックがかかってしまうので、遠方から来る患者さんのために土曜日に診察日をもうけたい私には不向きなビルばかりだった。そんな事情から100軒以上の物件をみて回る羽目になった。

刺絡ができなくても薬や鍼などで十分代用できることが分かっていたので、無理に刺絡をする場所は作らなかった。
無論、どうしてもというときのことを考えて刺絡をする準備だけは整えてある。

瀉血治療最近、瀉血をして欲しいとの電話がかかってきた。
現在はしていないのですが、どんなご病気ですかと尋ねた。病気によってどういう治療がもっと効果的か説明したかったからだ。
すると「ちょっと。」と曖昧な返事が返ってきた。

刺絡を沢山してきた私からすれば、刺絡が絶対必要な病態はほとんどないといっていい。例えば肩こりを刺絡で治すといい状態が長持ちするが、痛い思いをしてまでする必要を感じない。
私は東京では刺絡を治療の中心にしているクリニックがあるからそこを受診して下さいと返事をして電話を切った。患者さんは悪い血を抜くとどんなに元気になるのだろうと想像しているに違いない。
がどんな治療がその人に良いのかはやはり医者に相談して欲しい。

瀉血については以前にも書いたが、こういった電話が時々かかってくるので、詳しい説明をのせてみた。

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