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香杏舎ノート

第246回「私は葛根湯を使ったことがない」

「傷寒論」にみる病気の捉え方の図もともと葛根湯はコロナのような感染症に使った薬だ。
古代の中国人は体を竹筒のようなものと考えていて、病気はまずは体の表面を冒して次第に体の内部まで浸透し、最後には中心部まで侵入すると考えていた。

葛根湯は体の表面がちょうど侵されている時に使う薬だ。傷寒論(紀元200年ごろ編纂)という本には【寒気がして肩や首が硬くなり汗が出ないときに使う】と書いてある。

私が葛根湯を使わなかった理由は、そもそもそんな患者には出くわすことがなかったからだ。

大抵の患者は熱があり、寒気だけの患者さんなどいない。さらに葛根湯は熱い煎じ薬を飲むもので、エキス漢方を冷たい水で飲んでも体が温もらない。葛根湯は汗を出して病気を治す薬だから、汗をかかないでは治らないと思っていた。

インフルエンザワクチンとタミフル

20年前にタミフルが発売されると、私は葛根湯を使う機会を失ってしまった。だから葛根湯を使ったことがない。

保険のエキス漢方の葛根湯は、どんな基準で使われているかを保険漢方薬の添付文書から抜粋してみてみよう。

保険漢方薬「葛根湯」添付文書抜粋

保険漢方薬「葛根湯」添付文書抜粋
(下線はこちらで付記)

エキス漢方は効能効果も副作用試験も免除されて保険に収載されているからその当時の使い方を参考に添付文書が作られた。だからこんなひどい添付文書がついている。この添付文書は紀元200年ごろに書かれた傷寒論の文書より内容が曖昧で薬を使うことができない。
こんな薬を保険薬として販売を許可していることに驚きを隠せない。

タミフルが発売され、インフルエンザワクチンが広く接種されるようになると風邪の薬としての葛根湯の価値は無くなった。またSARSなどに葛根湯が効いたという話もないので、葛根湯はその価値を失っていると言っていい。

一般販売されている漢方薬は名前を変えて売られている

本来の使い方とは違うあいまいな仕様書は葛根湯以外の保険漢方薬でもみられる。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)は丹毒などの熱病に使われた薬だが、今の保険漢方の仕様書には下記のような表現になっている。

防風通聖散 【効能・効果】

体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:
高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症

薬局で売っている防風通聖散は、これを拡大解釈してやせ薬として売られている。実際に保険の防風通聖散を使ってみてもほとんど痩せる効果はない。
防風通聖散は新しい薬のようにナイシトール、コッコアポEXなどと製薬会社によって名前が違い、新薬のように売りに出されている。

世間で漢方薬がいい加減な薬と思われるのは、こういったことを放置している厚生労働省の怠慢からではないかと私は思う。

まずは仕様書の曖昧な保険漢方薬は保険指定から外すべきだろう。
さらに一般薬として売ることはよいにしても、漢方薬を様々な名前で売ることを認めるべきではないと私は思う。

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