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香杏舎ノート

第18回「瘀血(おけつ)」

瀉血

椅子の下にビニールを敷きリウマチの患者さんを座わらせる。患者さんのパジャマを太もものところまでまくり上げる。鍼灸師の先生が鍼をブスっと患者さんの足に突き刺す。刺した場所から血がひとすじの赤い線になって足をつたって流れていく。またブスっと刺すとまた赤い血の線が引かれる。幾スジもの血液の線が足をつたって流れ、足の下に敷いたタオルが血でビチャビチャになるほど血が出た。患者さんは楽になるからここも刺してくれと痛い場所を指さしている。

これは私が瀉血治療を初めてみたときの光景だ。こんな拷問のような治療で病気がよくなるのだろうか。見学を許してくれた漢方の師匠に聞いてみた。師匠は「どうして効果があるか、それは知らん。ただ瘀血という病態には効果があるんだよ」という。

瘀血とは血液の循環が悪くなったり、体に非生理的な血液が溜まった状態を示す漢方の言葉だ。たとえば打ち身をして青あざができた状態は瘀血と考える。心筋梗塞や脳梗塞をおこしやすい体質も瘀血と考えるという。
「どこの場所を瀉血すればいいのですか?」
「皮膚の表面に赤い糸ミミズのような血管の拡張したところがある。そこをさせばいい。青い色した血管は刺してもあまり血液がでないし効果も少ない」と先生は言う。

瘀血の人は赤ら顔で、舌の裏の血管が拡張していたり、爪の色がどす黒いといった特徴があるのだとも教えてくれた。

見学を終えて幾日か過ぎた日、病院で外来をしていると30歳前半の女性が喘息発作をおこしたとやってきた。聴診器で肺の音を聞いてみるとヒューヒュー苦しそうな音がしている。ふと背中をみると糸ミミズのような赤い血管拡張が沢山ある。瘀血だ。これが病気を悪くしているかも知れない。そこで患者さんの了承を得て鍼をさして吸い玉で血液を吸いだしてみた。するとどうだろう。発作はどんどん軽くなって15分ほどで止ってしまった。いつもの発作止めの注射よりはるかに良く効く。なるほどこれが瘀血による病気なのかと思った。

瘀血を治す薬

瘀血を治すのは瀉血だけではない。漢方薬もある。通導散だ。この薬は馬に蹴られたりした打撲の治療に使われてきた。万病回春という本の中に「てつ撲傷きわめて重く、大小便通ぜず、すなわち瘀血散ぜずして吐腹膨張、心腹に上攻し悶乱して死にいたる者を治す」とある。馬に蹴られてたりしてショック状態になり大小便が出なくなり、下腹部が内出血で腫れて死んでしまうような患者を治すという意味だ。今で言えば交通事故の打撲傷の治療に使えるということだ。

交通事故の話をしよう。知り合いの印刷会社社長は数カ月前に死にかけるような交通事故をした。高速道路を走っている時、前の車が急ブレーキを踏んだので、追突を避けるために右にハンドルを切った。ところがその車線にはトラックが止っていた。どうすることも出来ず、トラックに追突し、車体はトラックの荷台の下にもぐりこんでしまった。社長は顔の骨を折り、ムチ打ちになった。怪我は一カ月ほどでなおったが、ひどい頭痛が続いているという。整形外科の先生に相談しても痛み止めをくれただけだった。全然きかないという。

「気のせいではなくて瘀血じゃないの。漢方がよく効くかもしれないよ」というと、社長は治療して欲しいという。痛みの原因はレントゲンに写らない軟部組織の内出血、つまり瘀血があると想像した。
通導散(つうどうさん)を飲んでもらったら頭痛が嘘のように取れてしまった。やはり頭痛の原因は瘀血だった。

こんなことを繰り返すうちにだんだん瘀血というものが分かってきた。瘀血というのは病気ではなく体質だ。事故でムチ打ちになっても痛みが長く続く人と、そうでない人がいる。その差は瘀血体質かどうかによる。痛みが長く残る人は血液がたまりやすく、循環が悪い瘀血体質の人だ。だから瘀血質を治すと病気が治る。前述の喘息の人や交通事故の社長も瘀血体質であるが故に症状がよくなった。

内出血のみならず血液が粘る体質の人も瘀血体質だ。細い血管を流れる血液が粘っこければ、血管が詰まりやすい。だから瘀血体質の人は脳梗塞や心筋梗塞といった血液の流れがわるくなる病気にかかりやすい。さらに男性に比べ女の人は生理不順などから不要な血液が体にたまりやすいので、一般に瘀血体質と考えられる。

繰り返しになるが、瘀血は病気を意味する言葉ではない。体質を表わす言葉でもあるし打撲や脳梗塞など実際に血流の悪いときの状態を示す言葉でもある。

実際の治療でもう少し説明しよう。たとえば喘息の患者さん。発作を治すには麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)という薬を用いる。さらに患者さんが瘀血体質なら瀉血をしたり通導散といった薬を飲むと体質が改善されて病気がおこらなくなる。こういう風に漢方では体質改善とその病気の治療薬を合わせて用いることが多い。

瘀血というのは漢方医学での一つの仮説であり証明された病態ではない。だが、これらの症例から臨床での重要性を理解できると思う。血流が悪いと栄養の流れも悪くなり癌ができやすくなったり、病気がなおりにくくなったりする。

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