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香杏舎ノート

第92回「どんな食品をどれだけ食べるか」

最近は粗食がブームだ。過食の時代に粗食が受ける、よく分かる。もし食料難の時代だったら粗食の勧めなどウケるわけがない。食物があふれかえっている現在、どんなものをどのくらい食べたらいいのか、みんなが迷っている。そこで今回、どんな物をどの程度、そしてどんな頻度で食べたらいいのかを考えてみたい。

どんな物を食べるか

栄養学的にいえば蛋白質、澱粉、脂質、野菜をバランスよくとればいい。蛋白質は筋肉を作り、脂質や澱粉はカロリーとして使われる。野菜は豊富なビタミンを含むだけでなく、食物繊維は排便を促し、大腸癌の予防にもなる。食事のバランスを大切にする人は1日30種類の食品を取る必要があるという。本当だろうか。

世の中には澱粉しか食べないのに健康な人たちもいる。パプアニューギニアの原住民はイモしか食べない。澱粉質しか食べないのに筋骨隆々とした体つきをしている。どうしてなのか。じつは原住民の腸の中にいる細菌がイモに含まれる食物繊維を分解して空気中の窒素を取り込んでアミノ酸が作られる。このアミノ酸が体内に吸収されて蛋白が作られると言われている。芋だけの生活に原住民の体が順応したからだろう。いずれにせよ澱粉だけで健康にしている種族がいるのは興味深い。考えてみると30種もの食品を毎日食べないと健康を害するようでは人類はとっくに滅んでいるに違いない。もちろん食品をまんべんなく取ることのほうが良いことは間違いないが、そういう意識をもち過ぎると日本のような食品があふれた国ではすぐに食べ過ぎになってしまう。

どれくらい食べるのか

ではどのくらいを目安に食べたらいいのだろうか。平均的な労働をする成人男性で1日2500キロカロリー、女性で2000カロリーが必要だとされている。本当なのだろうか。ここでも極端な例を上げてみたい。
禅宗の雲水の食事は1日1300キロカロリーだ。それでも普通に作務をこなし、元気に過ごしている。これは必要なカロリーの6割しかない。しかも食事は精進料理だ。さらに過激な修行をする僧の食事もみてみよう。千日回峰という天台宗に伝わる荒業をご存じだろうか。7年間にわたるその修行とカロリーの関係を少し述べてみたい。
1年目は峰道を1日45キロを100日歩く。休むことは許されない。3年目と4年目はそれが200日になる。5年目は堂入りといって堂にこもって不眠、不臥、絶飲食で9日間過ごす。6年目と7年目は京都大回りといって1日85キロを歩く。
1200年の歴史の中でこの荒業を成し遂げたのは50人足らずだという。昭和になってこれを達成した酒井氏の食事は1日2回、蒸したジャガイモ2個、胡麻豆腐半丁、熱いウドン少々、これを朝と昼に食べるだけ。1日1500キロカロリーほどだ。どうしてこれだけの労働がこんなに少ないカロリーでできるのか、栄養学の謎とされている。こういった例を見れば2500キロカロリーが本当に必要な数字か疑問が湧いてくる。

1日に何回食べるか

先進国では1日3回食事をするのが当り前になっている。だが3回は妥当な回数なのだろうか。江戸時代、日本人は2食だった。雲水などは今でも基本的に朝と昼2食、民族によっては1日1食しか食べない人達もいれば、エスキモーのように特に食事時間が決まっていない人達もいる。1日3回食べないといけないという根拠はどこにもない。
30年以上前、チェコのファブリという学者が実験をした。1日3回、5回、7回食事を与えてどれだけ太りやすいか、1年後の皮下脂肪の厚さで 実験した。すると1日3回食べたグループ が1番太った。だから太りたくない人は少なく小分けにして食べたほうがいいと言われている。だがこの実験の大切なところは1日の摂取カロリーはどのグループも同じ、つまり同じ食事を小分けして食べたということだ。そうでなければもちろん沢山食べる方が太ってしまう。現在、多くの国では食事は1日3回だか、これは料理の手間や空腹感の関係からそういう回数に落ち着いてきたのだろう。

空腹感を大切に

考えてみれば食べ方や食物の種類について厳密なルールなどあるはずない。腹が減れば食事をとり、腹が一杯になれば食べるのをやめればいい。そして食べたい物を食べればいい。問題なのは食べすぎのため空腹感が失われ、どんな物を食べればいいか分からなくなっていることだ。ちゃんと空腹を意識できる時間を作って腸を休ませれば正常な空腹感が体に必要な物を教えてくれるはずだ。腹がいっぱいの時は食事を抜いたり、軽く食事を取ることで次の食事までに空腹感を感じるようにするとよい。ともかくお腹が減ってから食べたいと思うものを良く考えて食べることだ。

私の感想

食べることは生きる楽しみでもある。テレビや雑誌で刺激されてつまらないものを食べたりしないように注意しながら好きな物を食べればいいと思う。ただし食べて欲しくない物もある。炭酸飲料やスナック菓子の類だ。これらはカロリーは高いけどミネラルもビタミンも含んでいない、いわゆるエンプティーフードだ。だから加工されていない、昔からある食材を選んで食べてほしい。

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