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漢方治療

肝硬変

多くの患者さんが肝硬変で固くなった肝臓が柔らかくならないと思っているので、漢方医を受診されることがほとんどなく、また受診されても肝不全の末期であることが多いのです。もう少し早い時期から治療すれば効果があるのではないかと思って症例を紹介します。
西洋医学では治療できない病気なので、試しにでも治療を受けてみられてはと考えています。

疾患・症状

体の組織が急激に傷められると通常の組織ではなく、線維組織に置き換わります。たとえばひどい火傷を負うと元の皮膚組織ではなく、瘢痕という線維組織に置き換わります。
それと同じように肝臓がアルコール、肝炎などで長期にわたって傷められると正常な肝臓の細胞ではなく、線維組織に次第に置き換わってきます。そうなると肝臓は弾力を失い、硬く、かつ小さくなってきます。これを肝硬変といいます。

肝臓は腸からの栄養を集め、それらの代謝を受け持ち、また毒物を解毒する作用があります。肝硬変になるとこれらの機能が失われるばかりではなく、図のように硬くなった肝臓を血が通り抜けることが難しくなり、血液は脇道を通って心臓に帰ろうとします。すると脇道にあたる血管は多くの血が流れることになって拡張します。これが肝硬変に伴う食道静脈瘤です。

肝硬変

肝臓が一旦硬くなると柔らかくなることはなく、年月を経るに経て食道静脈瘤の破裂、腹水の貯留、肝不全になり、死に至る恐ろしい病気です。
もし肝臓を少しでも柔らかくすることができれば、食道静脈瘤や腹水を防ぐことができます。たった1例ですが大変うまく治療できた肝硬変の症例を紹介します。

実際の症例

R.Y.様(60歳)女性 C型肝炎による肝硬変
20年前、肝硬変の患者さんが受診されました。食道静脈瘤が大きくなり、何時出血するかわからないので食道離断術を受けるように勧められました。そこで私は線維組織を柔らかくする薬を飲んでもらうことにしました。この薬は放射線によって固くなった組織やケロイドを治すために私が作った薬を応用してみたのです。薬を飲んで1年位で食道静脈瘤の拡張は小さくなり、手術をしなくて済みました。
それから20年の間に何度か肝癌が発生しましたが、手術やカテーテル治療と並行して漢方薬を飲むことでなんとかしのぎ、現在に至っています。末期の肝硬変の患者さんがここまで元気に来られたのは奇跡に近いといえましょう。

最近、肝硬変末期の方が受診されました。腹水が溜まり、ほとんど食欲もありません。腹水には分消湯血鼓加減(ブンショウトウケッコカゲン)を使うことが多いのですが、煎じ薬は体調が悪いので飲めません。幸い私のところは丸薬なので、煎じ薬ほど飲みにくいことはありません。

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