漢方が癌に本当に効くか判断するのは困難です。なぜなら多くの場合、外科手術、放射線治療、抗癌剤といった西洋医学の治療と併用して漢方薬が使われるからです。漢方の抗癌作用を見極めるためには漢方薬だけを投与するグループと何もしないグルー プ、もしくは西洋治療だけのグループと比較検討する必要があります。そうでなければ本当の効果 を判断することができません。
癌が命にかかわる病気であることを考えると、このような比較実験は現実性がありませんし、そういった科学的データが無いのも事実です。しかしながら漢方には癌の発育を阻止しようとする力があると思います。もし癌になれば、西洋医学の治療と一緒に漢方治療を受けることも選択肢の一つだと考えています。漢方治療は西洋医学の治療を邪魔することがないし、西洋医学の治療と同時に漢方の治療を受けても漢方治療の効果 を期待できるからです。今までに、肺癌、胃癌、悪性リンパ腫、肝臓癌、舌癌、上額癌、乳癌、子宮癌、大腸癌などの治療をした経験があり、もしくは治療中です。一般 の経過に比べ、よい経過をたどることもあれば、あまり効果がないこともあります。効きそうなものは何でも試してみたいという気持ちで治療を受けるつもりなら、漢方治療を勧めることができると思います。西洋医学の補助療法と考えて治療を受けてください。 ただし、治療を受けるには次の3つの条件が必要です。
1、本人が癌であるということを知っていること。 癌であることを知らないと、「何でこんなまずい薬(たとえば煎じ薬)を飲まなければいけないのか」と治療が続けられないことがあるため。
2、歩けるだけの体力が残っていること。漢方薬は体の免疫力を強めることで癌を攻撃します。あまりに体力が失われていると漢方薬はほとんど効きません。
3、食欲があること。 漢方薬が飲めなくては効果が期待できないのも当然です。漢方薬を継続して飲めるだけの食欲はぜひとも必要です。
症例は下顎癌の患者。舌を1/3切除したが、癌はとりきれなかった。来院時は癌で歯肉が腫れ上がり言葉も不鮮明だった。高齢のため外科医の判断で西洋医学での治療 はせず、漢方のみで治療。腫脹も小さくなったので、本人に許可をもらい撮影、その後2ヵ月ほどしてもう一度撮影した。癌が縮小しているのが分かる。来院から1年半が経つが経過良効。
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