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香杏舎ノート

第93回「動物も養生をする」

犬や猫が道端の草を食べては吐いているのを見かけたことがあるかもしれない。これは草を吐剤として胃の内容物を出して体調を調えているのだ。人間の医療でも昔は胃の内容物を吐かせる吐法という治療があった。漢方では汗吐下と言い、下剤、発汗剤とともに吐剤も大切な治療方法だった。

草を吐剤として使う以外にも動物は自分の病気をいろんな方法で治していることが明らかになっている。例えばチンパンジーはある植物の茎を食べる。その植物の茎には毒が含まれていて、チンパンジーの腸に寄生する虫を殺す作用がある。この毒は強烈だが、チンパンジーの命を奪ってしまうほどの毒ではない。チンパンジーは時折この毒のある茎を食べては虫を下している。

もう一つ例をあげよう。動物が土を食べることをテレビで見たことがあるかもしれない。いままで動物が土を食べるのは、塩分を補うためだとかミネラルを補給するためだとか言われてきたが、土を薬として使っている場合があることが分かった。

オウゴンインコは時々土を食べる。インコが食べる木の実の中には毒性の高いアルカロイドが含まれていて危険だ。インコはこの毒を土を食べることで解毒している。これを証明するために実験が行われた。インコにアルカロイドと土を食べさせたグループとアルカロイドのみを食べさせたグループを比べた。土を食べたグループは血中のアルカロイドが60%も少なくなっていた。つまり動物は様々な方法で養生し、病気を治しているのだ。

人の養生

昔、人も養生をしていた。「なま水を飲むな」、「腹八分は病知らず」とか、自分の体調をみながら養生してきた。だが近年、養生という言葉を忘れたかのように努力をしなくなった。

高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病は、運動不足、食べ過ぎ、肥満からくる病気で、生活や習慣を改めることが予防にもなり、治療にもつながる、いわば養生で治る病気だ。残念なことにこの病気に侵されている人がとても多い。最近の統計では日本人の6人に1人が糖尿病かその予備軍だというし、アメリカでは国民の60%が肥満だという。糖尿病や肥満になりたくなければ食べすぎを止め、運動すればよい。

そんな養生さえもできなくなってしまった。野性動物は必要以上に食べないし、また容易には獲物を得ることが出来ないから必要以上に食べるための不効率な行動をすることもない。

もちろんすべての人が養生を忘れてしまったとは思わないし、養生をしていかなければならないという気持ちを持っている人も多い。人間ドックを受けるといった努力をしている人もいる。だが、残念ながら人間ドックは養生ではない。ドックは体のある部分に異常があるかないのかを知る方法、つまり検査でしかない。面白いことに人間ドックを有難がって受けているのは日本人だけで外国ではドックそのものがない。ドックには予防的な価値が無いことが証明されているからだ。

現代人の養生を観察すると明らかな傾向があることに気づく。ほとんどの人が楽な養生を選ぶ。栄養サプリメントを摂取したり、納豆を食べたりと、何かを食べるということで養生した気になる。つらいことは嫌だから断食をするといった苦痛をともなう養生は受け入れない。吐剤を使う治療や浣腸による治療が廃れてしまったのもそういう理由からだ。

医療技術が大幅に進歩した現在でも養生の意義は失われていない。人口が高齢化するにしたがい、むしろ養生は以前より大切になってきている。なのになぜ養生がすたれてきたのか。それは医療制度が皆保険になり気軽に治療を受けられるようになったことが大きい。

薬を飲むだけで血圧は下がり、コレステロール値も下がる。患者さんは楽でいいし医者は儲かる。でも薬による治療を選べば、一生薬を飲み続けることになる。誰しも生活習慣による病気を薬だけで治すには抵抗があるはずだ。運動すれば病気によいばかりでなく、足腰も丈夫になる。肩こりが治ったり、ぐっすり眠れるようになるというオマケもついてくる。

新しく養生を考え直す

もう少し養生を真剣に考え直す必要がありそうだ。安易な養生ではなく、自分の体に本当に必要な養生を、たとえそれが辛くても受け入れていく勇気を持つ必要がある。

ではどんな養生をしたらいいのだろうか。誰に聞けばいいのだろうか。実は誰に聞く必要もない。どんな養生が必要か誰でも自分に聞けばわかる。食べすぎていないか。酒を飲みすぎていなか。運動不足でないか。みんな分かっていると思う。

私の感想

以前このノートにも書いたが、テレビで食べ物や飲み物のコマーシャルは禁止すべきだ。コマーシャルをみてビールが飲みたくなったり、インスタント食品を食べたくなったりするのはよくあることだ。タバコが肺癌や血管疾患を悪化させることから広告を禁止されたように何らかの規制が必要だろう。日本では6人に一人が糖尿病なのだから。

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