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香杏舎ノート

第72回「理科系と文化系」

私が扇風機のコンセントをなおしていると、それを見ていた叔母が「理科系の人はいいわね、機械がなおせて」という。「こんなもの、理科系も文科系もないですよ。ただ分解して線を繋ぎなおすだけですから」と返事をしても叔母は機械が苦手の一点張り。叔母がいうように頭の構造に理科系、文科系といった区別があるのだろうか。

高校での選別

理科系、文科系の区別がされるのは高校に入った時だ。大学を受験するために、文科系と理科系のクラスに分けられる。物理、数学、生物などが得意で、医者やエンジニアになりたいひとが理科系に、経済、文学などに興味のある人は文科系に進む。そういう話にはなっているのだが、現役の高校生に聞いてみても、どちらに適性があるか分からないという人が多い。

高校生は経済学や法学がどんな学問なのか知らないし、法学を学んだ人がすべて弁護士になるわけではない。だからますますどの方向に進んだらいいか分からない。とりあえず英語が得意で数学が苦手なら私立大学の文科系を目標にすると有名大学に入りやすい。そんな動機で進路を決める人が多いようだ。15~6歳で強制的に理科系と文科系という2つの人種にわけられるから、その時期を境に自分はそういう人間だと信じてしまうようだ。

欧米にはない理科系と文科系

この理科系、文科系という分け方は日本独自のもので、欧米にはない。最先端の研究でもしないかぎり、理数系や文化系の頭脳という区別は偏見以外のなにものでもないと私は思っている。

冷静に考えてみると、文科系でも理科系の知識が必要なことが多い。パソコンやインターネットを使いこなすのは文科系でも必要な技術だし、近代経済学を勉強すると数式が幾らでも出てくる。金融取引では高度な数式をコンピューターを駆使してデリバッティブを行うから理数系の理解力がないとできない。

理科系でも文科系の知識は必要だ。エンジニアであろうと薬剤師であろうと英語という文科系の知識が必要なのは言うまでもない。さらに経済学も大事だ。公定歩合、為替、減価償却といった経済用語はエンジニアでも管理職になれば当然必要になる。理科系、文科系というタイプがあるか否かは別にしても両方の知識が必要なことは間違いない。

学問的な違いはあるか

化学、物理、数学といった理科系の学問と経済、法律といった文学系と称される学問を学ぶのに脳の質的な違いが必要なほどの学問的へだたりがあるのだろうか。数学や理科といった理科系の学問とはいっても記憶がその中心にあり、それは英語を覚えるのと変わらない。数学だって数式を利用しているだけで、フェルマーの理論を証明するといった仕事をする数学者でないかぎり数学的センスを要求されるわけではないのだ。

文科系と理科系の知識を持った人が貴重

日本では文科系と理科系に早くから分けてしまう。だから両方の知識をもった人がきわめて少ない。エンジニアだが法律にも詳しく特許の仕事ができる。複式簿記も英語もパソコンもできる。そんな人はほとんどいない。
理科系、文科系に分けてその分野だけで仕事ができていた時代はもう遠くに行ってしまったように感じる。これからは理科系、文科系の偏見を捨て、広い気持ちで知識を集めていかなければならない。

私の経験

医者でもコンピュターのことを知っていなければいけないと思ったのは30年ほど前、医学生の時だった。小遣いをためて2週間ほどの講習にいった。そのときのコンピューター言語はコボルとかフォートランだった。プログラムをマークシートで作った覚えがある。そのころ英会話も医者になったら必要だと思って、何人かの外人について習った。卒業してしばらくすると大学の評議員になった。大学の決算書を読めるようにと複式簿記の本を読んで勉強した。結局、理系であろうと文科系であろうといろんな勉強が必要なんだと思う。

最近日本の子供たちの学力低下が大きな問題になっている。この原因の一つには早くから理科系と文科系に分けて大学受験の効率だけを考えた教育をすることに問題があるように思えてならない。学問的な苦手意識を持たないように理科系、文科系の両方の学問をうまく教えていく必要がある。

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