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香杏舎ノート

第60回「健康食品」

それは癌告知から始まった

最近は癌が発見されると、本人にも病名を告げる。癌が進行して治療法がない場合でも「何もする手立てがない」とはっきり言う。以前のように本人に隠したりはしない。 もし進行癌になり、西洋医学的治療法がなければ、誰でも「何でもいい。少しでも効くものはないか」と探し回るに違いない。 こんな時、丸山ワクチン、猿のこしかけ(きのこの一種)、ゲルマニュウムなどが用いられてきた。治療にもブームがあるようで、最近は健康食品がよく用いられる。本屋さんの家庭医学のコーナーに立ち寄ると、[癌が治った]という健康食品の本が何種類も出版されている。癌の告知が常識になるにつれ、健康食品も急速に売り上げをのばしてきた。

アメリカでも健康食品の大ブーム

健康食品が売れているのは何も日本だけでははない。アメリカでも大変なブームだ。 ブームの原因はFDA(日本の厚生省にあたる役所)の方針転換から始まった。FDAは、これまで効果のはっきりした薬物しか販売を許可しなかった。だが方針を転換して安全なら何でも使ってよいことになった。実際に使用していく中で、効果のあるものとないものを選別していく、そういう方針になった。だからアメリカの病院ではサメの軟骨といった健康食品が癌を治療するために試験的に使われている。 ブームの背景には、健康食品を売る業者にも事情がある。本格的な医薬品を作るには大変なお金がかかる。50億とか100億といったお金と10年以上の歳月をかけようやく市場に出せる薬が作られる。いっぽう健康食品は開発にお金はかからないし、 安全かどうかのテストさえ必要でない。だれでも手軽に開発できて儲かるから大手のメーカーもこの業界に乗り込んでくるようになった。

効くかはどうかは二の次

家族が癌になった。西洋医学の治療法はない。ワラにでもすがりつきたい気持ちになる。そこで健康食品の本に出会う。本の中には簡単な成分の説明と癌から生還した人の経験談が載っている。さらに科学的なデータが書かれている場合もある。科学的といっても、それらの多くは免疫細胞が活性化されるといった試験管内でのデータで、 臨床で効いたというデータではない。 残念ながら試験管内のデータだけでは、実際の臨床では役立たないことがほとんどだ。 だが一般の人は健康食品を使ってみようという気持ちになる。 ある時、健康食品を売っているブローカーが私を訪ねてきた。その人は健康食品を売るためのストーリーが欲しいという。「楊貴妃が食べて美しくなった食品、そんな話はないですか」と聞く。話題になる物はないか探しているのだ。結局、効く効かぬより、伝説で売りたいのだ。

ウイスキーの水割り

ウイスキーを水で半分に割っても、さらに十分の一に割ってもウイスキーと呼ぶことは間違いではない。薬と違って健康食品には濃度の基準さえ無い。だから粗悪な商品でも堂々と高い値段をつけて売られている。 健康食品は「病気に効くといって売ってはならない」という決まりになっている。さらに「1日どれくらいの量 を飲んだらいいか」も言えない。あくまで食品だからそういう扱いになっている。だから本で宣伝し、健康食品は別 に販売する。健康食品の包 装には何の効能効果も、1日の必要量も書かれていない。必要量が書けないということは業者にとって、かえって気楽だ。薄くても文句は出ない。また効きすぎて副作用が出ても怖い。だから余計に薄くて効かない量で売ろうとする。

どんな健康食品も駄目か

すべての健康食品が駄目かというとそうではない。たとえばイチョウ、ギンナンのなるあのイチョウの葉はドイツとフランスでは医薬品として広く使われている。日本では健康食品扱いだが、血流を改善させる作用が強いので、老人性痴呆や狭心症によい薬だ。このエキスを作っているある会社は、成分を示すクロマトグラフィー(成分分析のデータ)を製品につけて販売している。だから一概に健康食品を作っている会社や品物がすべていい加減というわけではない。 健康食品もいい物をうまく使えば効果がある。西洋薬や漢方薬にないような効果を持っていることもある。だが、一般の人が使って効果を出すことは難しい。なぜなら健康食品を作っている側には使いこなす技術がないし、必要量がどのくらいかさえ知らないことが多いからだ。

私の経験

健康食品を友人から買わされたという話をよく聞く。「主人がこの健康食品を飲んで元気になったから、あなたも飲んだほうがいい」そんな説明で買わされることが多い。 だがそういう人の中には健康食品をクチコミで販売するのを副業にしている人もいる のだ。

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