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香杏舎ノート

第57回「老後は田舎に住む?」

サラリーマンと話をしていると、老後は田舎に住みたいという人が多い。古びた農家をタダ同然の値段で借りる。(タダ同然で貸してくれるかどうかは別にして本人はそう信じている。)畑も借りて野菜を作る。大根、キュウリ、白菜、トマトなど。余ったら都会の親戚 にも送るつもりだ。米は近くの農家から分けてもらう。釣をしたり山菜取りに出かけたりして、晴耕雨読の生活を楽しむ。生活費は安いし体にもよい。適度な運動、きれいな空気、ストレスのない生活、理想のように思える。

体力的にとても無理?

都会のサラリーマンの体力は予想以上に弱っている。車で通勤している人の一日の歩数はわずか3000歩、電車通勤の人で8000歩でしかない。長時間の事務仕事には慣れているが、肉体労働はほとんど経験がない。 屋外での労働は季節のいい時ばかりではない。炎天下での水まきや草抜きはつらい。 わずかな野菜を作ることはできてもテーブルをにぎわすほどの収穫を上げることは技術的にも難しい。さらに古い農家に住むのも大変だ。冬には室内温度が外気と同じくらい冷え込む。マンションの気密性のよい環境とは違う。こんなふうに考えてみると、田舎暮らしも楽ではない。頭の中で描く老後、その中に登場する自分は若い時のままだ。田舎で実際に生活してみれば、若いサラリーマンでさえ音を上げる人が多いに違いない。

平均寿命を越すと

体力のある人なら田舎暮らしを楽しめるかもしれない。だか70歳も半ばを過ぎると想像以上に体力が落ちる。どこか具合が悪くなくても体を動かすのがおっくうになる。 食事を作るのも風呂に入るのにも決心がいる。この年齢の人は、たいてい腰か膝が悪 いから家庭ゴミを出すことさえままならなくなる。田舎ではゴミ出しと言っても100メートル以上離れた場所にゴミを出しに行かなければならないことが多い。だから 高年齢の夫婦だけで田舎生活をするのはとても難しい。

現在、75歳以上の人は戦争を生き抜いてきた体力にすぐれた人たちだ。しかも若い時は車にも乗らず運動量の多い生活をしてきた。この人たちでさえ高齢になると弱ってしまう。だからまともな運動をしてこなかった戦後生まれの人たちが、どれほど弱るか想像もつかない。こんな体力のない老人が人口の多くを占めるような社会が迫ってきているのだが、この人たちがどのくらい長生きするのか、老人になったときの運動能力がどのくらいなのか、どんな生活形態で住むのがいいのか誰にもわからない。

介護保健の問題

介護保健が2000年から正式にスタートした。これで老後は安心とは考えないほうがいい。介護保健は大変に問題のある制度だ。そのことを健康保険と比べながら説明しよう。 ある人が癌になったとしよう。その人は健康保健で治療を受けることになる。この場合、健康な人と病気の人を明確に区別 できる。だから、その人が健康保健で治療を受 けることに異議をとなえる人はいない。 ところが老化の場合、どの程度の老化で、どの程度の介護が必要かという客観的基準 はどこにもない。介護が必要でない人でも雑用を公費でしてくれればそれにこしたこ とはない。だからいつも認定の基準が問題になるだろう。「介護保健の保険料を払ってきたのだからちゃんと認定しろ」、介護認定の基準を緩めろ」とかの議論がとめ どなく続くことになる。 「身の回りのことはできるのだが、一人で置いておくと火を出さないか心配だ」、「家の中で動けるだけで買い物にもゴミだしにも外出できない」など、いろんな老化 のケースが出てくる。「あの人に比べて私は損だ、何とかしてくれ」ということになる。全てを賄うには大変なお金がかかる。貧しい地方自治体では本当に寝たきりの人しか介護保健の恩恵を受けれなくなる可能性が高い。だからお金のかからない生活形 態を自分たちで作りだしていく必要がある。

年寄りには都会が便利

都会に住むメリットは多い。銀行、郵便局、病院が近くにある。タクシーを利用するにも買い物に行くにも便利だ。さらに食事のデリバリーサービスなども都会から始まるに違いない。だから年寄りが集団で町に住むようになる。そのほうが効率がいいし、 安くサービスを受けれることになる。 どの程度の町を都会と考えたらいいのだろうか。それは近くに幾つかのコンビにがあ る所だと思う。コンビニが介護や銀行の機能を備えてくれば全てが足りてしまうよう になる。田舎もインターネットの発達によって便利になるかもしれない。だが介護は人の力が決めての労働集約型の産業だから、人が少ない過疎地では成り立たないのだ。

い人がイメージする老後と実際に経験する老後はまったく違うものになる。だから今の生活の延長線上で老後の生活や老後の楽しみを考えないほうがいい。いつも頭を柔らかくしておく必要があると私は思っている。

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