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香杏舎ノート

第24回「湿気と乾燥」

体質を観察していると面白い。干からびていかにも枯れた感じのする人がいると思えば、水太りで体がチャプチャプしている人もいる。漢方ではこいうった体質を陰虚(インキョ)とか気虚(キキョ)とか言って区別している。なぜ区別しているかといえば、体質によっておこしてくる病気が違うのだ。

水太り体質(気虚)

湿度が高い時期、たとえば梅雨前線や秋雨前線が停滞して雨の日が長く続くと、水ぶとりの人は体が重くてだるいと感じる。これは体に余分な水分がたまるためだ。湿度が高いと皮膚の表面から水分が出ていかなくなる。体からは汗といった目に見える形でなくとも、つねに水分が出ていっている。これを不感蒸泄というのだが、これが落ちてくる。こういう時期に水が体にたまりやすい体質の人は病気をおこす。

湿気による頭痛とめまい

天気が悪くなると頭痛がおこる。低気圧が近づくだけで頭が重くなる。敏感な人は天気の変化をいいあてることができる。湿度が高くなり、体の水分が抜けなくなるためだ。女性に多い。頭痛の原因は自立神経失調症などといわれたりするが、本当は湿気にやられやすいためだ。また原因不明のめまいのほとんどは湿度が誘因になる。めまいをおこしやすい人はいつの時期にめまいが多いか思いだしてみるとよい。

湿気による関節痛

膝や腰の痛みは湿度が高いときにひどくなる。昔、地下牢に入れられた囚人は地下の湿気にやられて足が悪くなったという。関節の病気に湿気はタブーだ。また風邪を引いたとき、いつもと違って、妙に関節が痛んだ経験があるかもしれない。これは湿気にやられた時の風邪ひきだ。
この体質の人に「体に余分な水分がたまってますね」というと、「できるだけ水分をひかえたほうがいいのですか?」という。「水ではなくて糖分をひかえてください。水ぶとりの原因は糖分です」と説明する。糖分が水を体の中にためる。お菓子、果物にかぎらずビールや日本酒も糖分が多い。太っていないように見えても体にしまりがなく、ぶよぶよした体つきの人も水太りの体質と考えてよい。

体が乾く体質(陰虚)

社員旅行でホテルに泊まったら暖房がよくきいていて乾燥が強く、のどが痛くなった。こんな経験をしたことがあるかもしれない。乾燥でのどが痛くなって風邪を引くのはきまって同じ人だ。乾燥に弱い人もあれば強い人もいる。人は水分を多く含んだナマモノだから適当な水分がないと干からびる。体質的に乾燥しやすい人の病気についてみてみよう。

乾燥による病気

乾燥体質は生まれもった体質以外に老化によるものもある。よく「年を取って枯れてきた」などと言うが、実際に体の水分が少なくなって干からびてくる。肌は潤いがなくなりカサカサしてくる。年寄りがお茶をよく飲むのは唾液の分泌がへって、口の中も乾燥してくるからだ。

胆石、歯槽膿漏

乾燥体質の人は、胆汁や尿といった体液が濃縮されやすいから胆石や腎結石といった結石ができやすい。口の中が乾燥しやすく口臭がひどい。乾燥から歯垢が歯につきやすくなるので歯槽膿漏をおこす。

乾燥性皮膚そうよう症

汗をかかなくなる冬場に多い。体が乾燥してカサカサになりかゆくなる。とくに向こう脛に多い。年をとると乾燥体質になってくるから老人に多い。石けんを使うと悪化するので、体を石けんで洗うのは週に一度にする。ふだんはタオルで体をこするだけにするとよい。当帰飲子(とうきいんし)という漢方がよく効く。
乾燥体質の人は水分をよく取るだけではなく、空気の乾燥する冬場は部屋の湿度に注意するとよい。ホテルに泊まるときはバスにお湯をはり、浴室のドアを開けて寝るとよい。

私の経験

病院に勤務しているとき意識がない老人が運びこまれてきた。この患者さんは脳の血管が動脈硬化で細くなっていて、ようやく血液が流れている状態だった。前の晩にコタツでうたた寝をして脱水状態になり、血液が濃縮されて血の流れが悪くなり意識障害を起こしたことがわかった。だから点滴をするだけで意識を回復した。年を取ると、こういったささいな不注意が命とりになることがある。体の乾燥も病気をおこすことに注意してほしい。
高温多湿なモンスーン気候の日本では湿気によって体調をくずしている人のほうが乾燥での病気より多い。五月晴れや秋晴れの日に気分がよいのは、青空のせいばかりではなく、湿度が低いからだ。日常の暮らしの中で、どううまく湿気を処理できるかが体調を保つのに重要だ。

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