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香杏舎ノート

第177回「不妊治療」

家長制度の中の不妊

江戸時代のイメージ江戸時代のような家長制度の中では、家を単位として社会が構成されていた。家を存続させるためには必ず子供が必要で、女児でも養子を取ることで家を存続できたが、無論、男児が望ましかった。
もし子供がいなければ、跡継ぎのいない家はお家断絶になり、農家や商家でも跡継ぎは、老後の保障であり、生活の基盤だった。ドラマでよく描かれる正室と側室の子供を産む競争は、文字どおり命をかけた戦いであっただろう。

そういった時代の漢方医にとって不妊治療は大きな命題だったことは容易に想像できる。

不妊治療を専門にしない私も以前は不妊治療を頼まれることがあった。
印象に残っている症例は、双角子宮の妊娠できない患者さんを漢方で治療して健康な男の子が生まれたことだ。

だがしばらくして漢方薬での治療は無くなってきた。理由は体外受精が行われることになってきたからだ。幸いなことにこれで多くの人が子供を持つことができるようになった。

現代の不妊問題

最近になって不妊が再び大きな問題になってきている。
家長制度がなくなり、社会が個人で構成されるようになると、以前のように不妊が女性に死活問題を起こすようなこともなくなり、体外受精のおかげで不妊の数も減ってきたはずだ。

しかし、多くの女性が不妊で悩むようになってきた理由は晩婚化だ。女性の寿命は倍近く伸びたが子供を産むことができる年齢は変わってはいない。子供は35歳くらいまでに産んでおかねばならない。卵子が老化し妊娠しにくくなるだけではなく、遺伝性疾患の発生率も高くなる。

女性の社会進出が進み、女性も管理職として会社で活躍するようになり、就職前の勉強時間が長くなった。会社で活躍するために留学したり、MBAの資格を持つ女性も増えてきた。医者や弁護士になる女性は研修医や司法修習を終えて実務ができるようになると、もう30歳近くなってしまう。

子供を持ちたいと思っても仕事が忙しく、産休や保育所のことを考えて結婚、出産をためらう人が多い。女性が子供を生みやすくするためには社会が変わらねばならない。
産休、保育園、ゆとりある生活をする環境を作っていかねば女性は安心して子供産むことができない。安心して子供が産める状況をみんなで作っていく必要がある。

現在の漢方治療

漢方は家長制度の中で鍛えられ、不妊に対する様々な治療が発達してきたが、現代の不妊が難しいのは卵子の老化が原因と言われているからだ。
老化を止めるということは不老長寿と同義語で、秦の始皇帝の時代から求められていることではあるが、若返りを促進することは難しい。また高齢出産のリスクを考えると積極的に治療していくのをためらう気持ちになる。

40代後半の人が不妊で相談に来られた。妊娠する可能性は2%、流産する可能性が半分あるから子供が生まれる可能性は1%しかない。遺伝的疾患や発達障害もなく無事に生まれる可能性は0.5%くらいだろう。

たとえ無事に生まれても子供が10歳になり、参観や遠足に行く時、お母さんは60歳近くになっている。子供が大学を出る時、70歳位になる。もし、お父さんがかなり年上なら大学を出た途端に介護が始まることもある。実際、親戚の叔父は五十過ぎで子供ができ、子供は大学を中退してお父さんの介護に当たった。

「45歳でも50歳でも子供を産む人はいるが、それは75歳でエベレストに登れる三浦雄一郎のような特別な人だ。」そういうと患者さんは、「先生はキツイことを言いはる。」という。

ネットを見ると「医者に可能性が1%としか無いと言われたが、あきらめないでよかった。体外受精で子宝に恵まれた。」と不妊治療専門の医院のホームページに書いてあったりする。でも実際にはそれほど気楽ではいられない。

最近の治療例

最近、不妊治療を引き受けた。29歳の患者さんで抗リン脂質抗体があり流産に悩まされていた。幸い薬を飲み始めて体が温くなり、すぐに妊娠し、今は安定期にある。
男性の精子が少ない患者さんの精子を漢方で治療し倍にした経験もあるが、男子の精子の数は、理由は不明だが急激に減ってきている。

漢方での不妊治療は社会の要求にこたえるように鍛えられ、優れた治療法として発展してきたが、現在では老化を治すというもっと難しい治療を求められるようになってきた。

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