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香杏舎ノート

第154回「自費出版」

もう15年以上香杏舎ノートを書いてきた。
HPに載せているものは一部だがそれでも2005年から書いているので、多分、18年間は毎月書いてきたことになる。

そもそも書き始めた動機は患者さんに少しでも漢方のことを知って欲しいと思ったからだ。以前はクリニックの受付でA4一枚に収まる原稿を書いて患者さんに渡していた。たとえばアトピーの考え方や養生の方法などを書いてきた。

もっと効率よく自分の漢方治療を分かってもらえるにはどうしたらいいのだろう?
毎月の原稿だけでは自分の言いたいことを患者さんに伝えるには足りないし、患者さんから以前の原稿、つまりバックナンバーを下さいと言われたりする。そこで書きためた原稿を本にしたことがある。

自費出版

本を出版すると大変なお金がかかる。
本屋さんに置いてくれる権利を持っている出版社に頼むと費用がかかるが、実際に本屋に置いてくれる期間は2週間もない。そこで私は普通の印刷会社に依頼して本を作ることにした。校正も自分でやるからとても安い。1500冊ほど刷った。
幸いにも患者さんが買い求めてくれ、また講演を依頼してきた生命保険会社が講演を聞きにきた来場者に配るために数百冊をまとめて買ってくれたりしたので、すべて売り切ることができた。
無料で進呈したものはない。本はタダでもらうと読まないことを自分の経験から知っているので、本を無料で進呈するという選択肢をはじめから想定していなかった。

インターネットが発達するに従って本はあまり読まれなくなってきた。
本を持ち歩くのが面倒な人は印刷した本をバラバラにしてスキャナーでPCに取り込んで電子化する。一般の本も電子化の方向に向かっている。本の値段の大半は印刷費や輸送費、展示する場所や管理する人の人件費だから情報を売るだけならネットのほうがはるかにいい。
だが、ネットの本の値段は想像するほどは安くはない。急にはシステムを変えることができないからだ。

ネットの原稿は出版よりすごく利点が多い。
本だとカラー写真を入れたりするとものすごく費用がかかる。表紙も色を入れると馬鹿にならない。ネットだとカラー写真を自由に使えるばかりではなく、動画も入れることができる。
私のHPにも丸剤作成の動画を入れている。ネットは個人が情報発信できる素晴らしい技術だ。膨大な資料、カラー写真、動画まで載せることができるHPは優れた情報伝達道具だといえる。

私の場合、原稿、写真などはすべて私が用意しているが、それを綺麗な形で表現してくれる優秀なHPビルダーがいるので助かっている。

有名な出版会社から自費出版の誘い

ある日、日本でも有数の出版会社から自費出版を勧める電話がかかってきた。私のような一介の開業医が本を出すこともないのですぐにお断りした。1年もせず同じ出版会社から出版のお誘いの電話がかかってきた。すぐに断ろうと思ったが、どうしてまた電話がかかってくるのか気になった。私のHPを見ての勧誘だろうが、何がそんなに出版を勧める動機になっているのだろうか?

相手は本を売るプロだから売れるためのノウハウに精通しているはずだ。そこで会ってみることにした。
話を聞くと、出版業界にはキーワード検索のようなものがあり、様々な手法で本が売れるトレンドを探っているという。一般の人がグーグルのアドワーズ検索を使うようなものだ。
私が「HPのどのような部分が面白かったですか?」と聞くと、それを含めて次回出版の提案をするために来たいという。私も面白そうなので、この際、自費出版してもいいのかと思ってしまった。

冷静に考えると、私のように有名人でもなければ原稿もさして面白くない人間の本が売れるわけもなく、漢方の専門書を書いたらもっと売れないだろうと思う。

本のプロが面白いとHPの中で思ったのは、葛根湯の温服のことだったようだ。温服とは葛根湯を熱いまま飲むということだ。葛根湯を煎じ薬で飲む場合、冷えてしまうと本来、葛根湯が持つ発汗作用が失われてしまうので、熱い状態で飲むことをいう。こんな枝葉末節のことが面白いと言われても白けてしまう。

本のプロたちが私のブログを詳しく読んでくれている様子もなく、がっかりしてしまった。
結局、私にとってHPが一番いい情報伝達の手段のようだ。本を出したからといってその効果はゼロなのだろう。

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