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香杏舎ノート

第139回「医者と職人」

医者は一生を通じて勉強しなければならない職業だ。
私のような開業医でも時間のある時は生薬の辞典を調べたり、漢方の本を読んだりしている。大学の講義や講演の準備もあるから結構忙しい。
大学の先生は医局で最先端の知識を取り入れるために英文の輪読会、学会発表、論文執筆がある。

医者の職人的要素

面白いことに医者は職人的手技も必要とする職業だ。手術は学問的知識もさることながら手先の器用さが物を言う。すごく細かな手術、眼球や心臓などは手先の器用な人でないとできない。
天皇陛下の心臓手術をした天野教授は天才的な手先を持っているのだろう。手先の器用な人は細かい所を綺麗に仕上げるだけでなく手早いから患者さんに負担がかからない。

患者さんでも胃カメラや点滴を受ける際に医者の器用、不器用が分った経験を持っている人も多いに違いない。ただ、医者に職人的器用さが求められるといっても精密機械を組み立てるような器用さが必要なことはない。一般の手術では経験を積めば上手くなる。

私は手先が器用ではないので外科医になりたいと思ったことはないし、子供の頃から、家具を作ったり、精密部品を作ったりする職人に憧れたこともなかった。

職人好きの私

職人仕事の面白さが分かるようになったのは、丸薬を自分で作るようになってからだ。

一言で丸薬を作るといっても簡単ではない。生薬を粉末にして蜜蝋や寒梅粉(もち米の粉)を使って丸い形にすれば丸剤になる。理屈はそうなのだが、実際にやるとなると大変だ。丸剤を作って販売している正露丸や仁丹より大変だと分かるのに時間はかからなかった。

何故そんな会社よりも作るのが大変なのか?
それは決まった製品をつくらないからだ。
患者さんの体質や病気に応じて様々な丸薬を作らねばならない。そうなると丸剤にならない生薬があることも分かってくる。桃仁(トウニン)は粉にしようとすると油成分からドロドロになる。肉蓯蓉(ニクジュヨウ)も糖分が多すぎて粉に出来ない。反対に釣藤鈎(チョウトウコウ)はカギカズラの棘の部分だからパサパサで繊維が強くてやはり粉にならない。

こういった生薬末を集めて丸剤にしていく場合、どんな賦形剤を使えばいいのかが問題になる。米粉、山薬(山芋の粉)、上新粉などを組み合わせて使うが、蜂蜜が必要だったりすることもあり、長年の経験が必要だ。
製丸機も買った物をそのまま使うことが出来ない場合が多い。20年くらい前に購入して使っていた卓上の製丸機は錆びやすい部品をステンレスに変えたりして改良した。

日本はモノづくり大国だと言われるが、こういったノウハウが蓄積されているからだ。ノウハウは無論それを生業にしている人の生活の糧になるものだから誰も教えてくれない。反対に教えないからこそ日本の優位が保たれているとも言えるだろう。

幸いなことに私には丸薬作りを教えてくれる人が何人かいる。みんな10年以上の付き合いがあり、互いに信頼しているからこそノウハウを教えてくれる。私のクリニックの顧問は上場会社の執行役員をしていた薬剤師で、製薬会社の工場長をしていた経験がある。中国語が堪能で、漢方にも造詣が深く、今は中国の本土にある漢方メーカーの顧問をしている。

こういった人の指導で衛生管理にも気をくばりながら製作しているのだが、それでも自分で対処しなければならない問題も起こってくる。なぜなら私の所が少量生産なので、大きな生産ラインとは違う問題が出てくるからだ。そういった問題は自分で解決するしかない。

専門家に勧められて買った篩

専門家に勧められて買った篩

丸剤を作ると丸剤同士が引っ付いて2つ玉になったり、形の悪い物が混じってくる。私の工房では手作業でそういった物を取り除いているが、生産効率をあげるためにどうしたらいいのか専門家に相談した。すると篩(ふるい)を買いなさいとアドバイスをくれた。
買ってみると目の大きさはいいのだが、形の悪い物も通り抜けてしまう。何かいいものはないかと何日も考えた。

ふと、丸い物を篩にかけるのだから、丸い穴がいいのではないかと思いついた。
そこでパンチングメタルなどを作っている専門業者を訪ねて製作を依頼した。

自分で考案したパンチングメタルの篩

自分で考案したパンチングメタルの篩

多くの場合、医者がそういうものを依頼すると断られることが多いのだが、親切に対応してくれて、ステンレスにしますかアルミにしますかなどと相談にものってくれた。自分で図面を引いて作ってもらったのがこの篩だ。この篩のおかげで随分生産効率が上がるようになった。

こんな工夫もノウハウの一つで、本当はオープンにしたくはないのだが、少しでも職人の世界の楽しさと苦労を分かって欲しいと写真を載せてみた。

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