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香杏舎ノート

第128回「美容鍼」

私は美容鍼という言葉を聞くたびに何ともいえない違和感を覚える。何十年も鍼灸の分野で私は治療をしてきており、数多くの鍼の先生にも学んだが、一度も、美容鍼をする先生にもそういった言葉にも出くわしたことがなかったからだ。

西洋医学の中には形成外科という分野がある。けがやできものなどの手術で機能や形態が以前よりも劣った人、あるいは生まれつき異常のある人をできるだけ正常にすることを目的としている。
例えば口唇口蓋裂(いわゆるみつ口)や生まれつき指が6本ある人などを治療する分野だ。

美容外科は、普通の人をもっと美しくするということが目的であり、形成外科の治療を普通の人に行ったのが美容外科ということになる。
よく知られているように美しくなるために二重まぶたにしたり、胸を大きくしたりする手術のことだ。
では鍼を用いて人を美しくすることができるのだろうか?

元々鍼は中国で発達してきた。刃物で体を切って悪い血を出す刺絡のような治療が洗練されて鍼になってきた。
病気がよくなる反応点はツボとして記憶され、それに陰陽五行の学問的考察が加わり、365のツボと12の経絡にまとめられた。
こういったツボの中で美容に良いとされているツボはない。とは言っても鍼治療がまったく美容と関係ないわけではない。

鍼と美容という2つの単語を聞いて思い浮かべるのは耳鍼だ。
フランス人のノジェによって洗練された耳鍼には飢餓点というのがあり、そこに鍼を打つと痩せることができるという。
もう20年位前、私は耳鍼を用いて治療に使っていた。
耳の飢餓点に鍼を打ち、それをテープで留めておくと(留置針という)、確かに痩せるが1キロほどだ。長くテープで留めておくと皮膚がかぶれてしまう人もいるので、右と左の耳に交互に鍼を打ったりしてきたが、1キロ以上は痩せないので止めてしまった。

顔に鍼を打つと目じりが上がったり浮腫みが取れたりすることがある。
顔には表情を作るたくさんの筋肉があるから、それらの一部が緩んだりすると随分見た目も変わる。
ただそんなことが起こったからといって美容鍼とは呼べないだろう。

効果判定の難しさ

鍼で腰痛が取れれば鍼の効果を実感できる。歩けなかったのが歩けるようになり、指で押さえられてイタイ、イタイと言っていたのが無くなるから効果は明瞭だ。
でも美容鍼は見た目で判断する。目じりが上がって綺麗になりましたと言われても本当にそうなのか分からない。またその効果が長く続くとも限らない。

美容整形外科では乳房にシリコンを入れたりする。この場合、効果は歴然としている。それでも効果判定は難しい。乳房の大きさには好みがあってあまり大きすぎる乳房を美しいと思わない人もいるだろう。美醜は人の好みによるところが大きいからますます効果判定はできないことになる。

鍼で綺麗にはなれないのか?

では鍼で綺麗になることは出来ないのか?
私はなれると思う。

いつも疲れて元気の無い人が鍼治療を受けて元気になると、表情が明るくなるだけでなく、目の下のクマも取れて綺麗になる。
鍼と整体を組み合わせるともっと効果的だ。
若い女の子なのにヒールを履いて背中を丸め、顎を突き出して歩いている姿を見かける。鍼と整体で筋肉を緩め骨格を正してやるだけで、とても美しい立ち姿になる。

元気な人ほど表情も明るく、姿勢もよく、美しい。
最近は働いている女性は忙しいのか疲れはてている人が多いように思う。そんな人が治療を受けると元気になり、美しくもなる。
美しいかどうかは基準があいまいなので、自分で判断してもらうとして、少なくとも体調が良くなることは実感できるはずだ。

私が鍼を使った治療を美容鍼と呼ぶのに違和感を覚える理由が分かってもらえたと思う。
世間で言われている美容鍼を受診して自分が綺麗になったと納得いくのであれば、何も反対する理由はない。
あまりにセールストーク的な文言がネット上に踊っているのを見ると、鍼の本当の効果を知ってもらうのに妨げになりはしないかと心配になるのだ。

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