東京銀座で、漢方・整体・鍼灸治療なら【香杏舎銀座クリニック】で!独自の漢方丸薬で治療を行っています

香杏舎銀座クリニック:ご予約Tel.03-6228-6763

香杏舎ノート

第126回「漢方薬は癌にどう作用するか?」

西洋医学で癌を治療する場合、大きくわけて手術、放射線、抗癌剤治療の3つの方法がある。

手術は癌そのものを体の中から切り取る方法で、完全に取り去るためには病巣より何センチも離れた所から切る必要がある。うまくいけば完全に治癒する可能性が高いが体には負担がかかる。

放射線治療は体の外から放射線を当てて癌細胞を殺す方法で体を切らずに済むが、放射線を当てた周りの正常な組織が瘢痕化し、縮んでリンパ浮腫をおこしたりする。

化学療法は正常細胞も癌細胞も同じように叩いてしまう。正常細胞も癌細胞もダメージを受けるが、正常細胞の方が元気になるのが速いため何度も繰り返して抗がん剤を使うと相対的に癌細胞が減っていく。抗がん剤を何クールするというのは正常細胞の戻りをまって癌細胞を叩いていくからだ。

その他に免疫療法やワクチン療法などがあるが、いずれの治療もどうして効くか作用機序がはっきりしている。

だが漢方薬で癌治療をする場合はどうして効くのかがまったくわかっていない。おまけにたいてい場合、西洋医学の治療と併用するので、漢方薬がどのように抗がん作用を発揮するかますます明瞭ではない。漢方薬だけで治療するのならまだある程度想像ができるのだが、かといって漢方だけで治療すべきではない。
そんなことを思いながら癌治療にあたっていたら何例か漢方治療だけで癌治療をすることになった。

【症例 1】 89歳 女性
右乳房にシコリができ、検査の結果、乳癌と診断された。外科では手術を勧められたが高齢を理由に家族が治療を断った。漢方薬だけで治療してくれという。
癌は手で触ることができた。3センチ×5センチくらいあり、診察する度に定規を当てて大きさを測っていった。
漢方薬を投与してしばらくすると少しずつ小さくなりだした。漢方薬を飲んでも何の副作用もないので、患者は元気に動き回り、食事も普通に食べている。
癌は小さくなっていくものの完全には無くならない。風邪をひいたり疲れたりすると癌はまた大きくなる。大きくなったり小さくなったりすることを繰り返して何年も経ったが、不思議に転移もなく患者は快適に過ごしてきた。
95歳を過ぎると体の免疫が落ちたのか癌がだんだん大きくなって皮膚を破って顔を出した。そんな状態になっても痛みもなく元気にしていたが、ある日、急に大量に出血して亡くなった。癌が動脈を巻き込み出血したようだった。
【症例 2】 80歳 男性
胃カメラ検査で胃に小さな潰瘍があり、生検したところ癌が見つかったという。簡単な手術で十分完治する病態だったので、私は、漢方の出番はない、西洋医学で治療して下さいと言った。
この人は一部上場会社の常務だった人で、機械工学が専門の技術屋さんだった。
戦時中は紫電改を設計していた。紫電改のギアボックスが時々焼き付いてしまうことがあり、原因を調べると、急旋回した時にギアボックス内のオイルが遠心力で十分に回らなくなることが原因だった、そんな話をしてくれた。

私が手術を勧めても頑として聞き入れない。「手術をしないで治したい。俺は技術屋なので、お前の技術に賭けたい」という。
何度勧めても無駄だった。手術をすると入院し手仕事を休まねばならない。今は自分の伝記を書いているしNHKの取材もあるので休めないという。
私は、あなたが西洋医学の治療を受ける前提で漢方を出しますと宣言して漢方を処方した。

しばらくすると癌は消えてしまった。胃潰瘍はどこにもなくなった。
この人は大変喜んで財界の友人が集まる場所に連れていき、私が癌を治したと紹介した。
2年ばかりして漢方を飲むのを止めているとまた小さな癌が出現した。そこで、また漢方を飲み始めた。飲み始めたといっても十分な量の煎じ薬を飲んでいたわけではない。時々休むのだが、それでも癌は小さいままだった。
私は今度こそ手術して欲しいと頼んだが受け入れなれなかった。
癌が見つかって6年ほどした時、ひどい肺炎になり体調を壊した。そのときから癌が少しばかり大きくなった。しばらくして検査をしたところ全身に転移があり、まもなく亡くなった。
【症例 3】 50歳 女性
子宮頸癌の患者。手術で簡単に治る状態だったので、漢方は出しませんと断った。ところが一緒に来た息子さんが北京中医学院の鍼灸科を出ていてどうしても漢方だけで治してくれという。
北京中医学院は漢方や鍼灸を学ぶことができる中国でも最高峰の大学だ。だから中医学を信じているのだろう。
私は西洋医学で完治するのに漢方だけの治療でリスクを冒す必要はないといったが、聞き入れられなかった。
漢方を飲み始めて数か月するとは消えていた。1年半ばかりして小さな子宮頸癌がみつかり手術をすることになったという。私は是非そうして下さいと言った。

このような症例を通して私は漢方薬が確かに抗癌作用をもっているのだが、それは直接癌を攻撃するのではなく、免疫力を上げて癌を小さくする作用があるのではないかと思うようになった。

症例の1と2のように高齢になればどうしても免疫力が落ちてしまい、癌が広がる。肺炎や疲れも癌を大きくする作用がある。そんな風に感じている。

漢方薬は西洋医学治療を邪魔しないので、癌になれば是非併用して飲むべきだと考えている。

香杏舎ノート の記事一覧へ

  • 香杏舎で診察をお考えの方へ
  • 遠隔診療について
まずはお電話でご予約ください(東京・神戸共通ご予約電話)香杏舎銀座クリニック 03-6228-6763

患者さまお一人お一人にゆっくり向き合えるように、「完全予約制」で診察を行っております。
診察をご希望の方はお電話でご予約ください。

- 読み物 -

RSS

ご予約はこちらから

予約電話Tel:03-6228-6763

~神戸は漢方相談のみ行っています~

香杏舎銀座クリニック

(電話受付時間)
月~金曜日10:30~17:00
土 曜 日10:00~13:00

初診の方へ

ページトップへ戻る

香杏舎銀座クリニック

TEL.03-6228-6763

〒104-0031
東京都中央区京橋3丁目3-14 京橋AKビル7階

Copyright ©1999 香杏舎銀座クリニック All Rights Reserved.