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香杏舎ノート

第105回「味の記憶」

甘党か辛党か

今から何十年か前、味覚の好みは大きく2つに分かれていた。甘い物が好きな甘党の人と塩辛い物が好きな辛党の2つだ。一般に女の人や子供は甘党で、男の人、特に酒を飲む男性は辛党と考えられていた。人に贈り物をするときでも「あの方は男だし、お酒が好きだから甘いものは召し上がらないわね」などと相手の好みを想像してこのどちらかに属するかを判断していた。

最近では酒飲みの男性でも平気で饅頭やケーキも食べる人が多い。辛い物が好き、反対に甘い物だけが好きという、どちらかに味覚が片寄った人を見かけなくなった。どうしてなのだろう。
ある日、面白いことに気がついた。酒好きの人に酒の好みを聞いてみるとビール、ワイン、大吟醸、チュウハイといった酒が好きな人が多い反面、ウイスキー、焼酎といった酒を飲む人はほとんどいない。つまり、糖分の多い、甘い酒を飲む人が増えたのだ。日本酒でも昔の日本酒に比べるとずいぶん甘くなっているし、焼酎でも味を整えるために砂糖を加えている物があるという。

辛党は何処へ

酒好きは辛いものが好きなはずなのに、酒の世界でも甘党が広がったことから考えると甘党は多くなったのに辛党は居なくなってしまったのではないか。辛党だった人は何処へ行ってしまったのだろう。

一般には味覚の記憶は本来長く続くものと考えられている。だから、お袋の味などと言ったりする。そんな長く続くはずの味覚の記憶を消すようなことが戦後の日本で起こったのではないか。そう思えてならない。この謎を解くヒントは北朝鮮に拉致された人の子供の証言にある。「日本の食事は甘くてまずい」という言葉だ。十数年前、私は同じ言葉を中国から来た留学生から聞いた。日本の食べ物はどれも甘すぎるというのだ。つまり日本人の食べる食べ物すべてがゆっくりと甘くなっていき、それに従って塩辛いだけの食べ物がなくなってしまったのではないか。あまりにゆっくりした変化だから誰もが気づかないうちに国民全部が甘党になっていったのだろう。そう考えると、たしかにすべての物が甘くなっている。食パンでも糖分が入っている。イチゴもみかんも甘くなった。おかきでさえ塩辛いだけのものは少ない。塩味だけの食べ物を探しても、なかなか見あたらないように思える。

考えてみると、飽食の時代に人に何かを食べてもらうためには、単純な味では飽きてしまう。だから甘辛い濃厚な味のものが増えてきた。言い換えれば、複合した複雑な味が好まれるようになったわけだ。

多量の糖分を取ることでアレルギーが起こる

糖分を多く取るとアレルギー体質になることを今までに何度も書いてきたが、これほど食べ物の中に糖分が多く、また甘党の人ばかりが増えると容易には糖分を減らせない。

面白いもので、「甘いものを食べますか」と聞いても「食べません」と答える人が多い。だが「ビールを飲むと鼻アレルギーやアトピーがひどくなりませんか」と聞くと、確かになると答える人が多い。ビールは辛党の好むものだから甘いものではないとの思い込みがある。味の記憶や味そのものが変化している中で甘いもの、塩辛いものという概念だけが記憶の中に残されているのだ。こういった食環境の中で糖分を減らすことの難しさを日々感じている。

私の経験

私はもともと辛党だった。だから子供時代、オカキは食べても饅頭や羊羹はまったく食べなかった。だか、いつのまにか甘い物も食べるようになった。だから私の味の記憶も消しさられたのに違いない。

少し話は脱線するが、私の記憶の中で十分に満たされない味覚、それは伊勢海老だ。大きさの割に身は少なく、角の部分や頭部の身を食べようと試みても、硬い甲羅とトゲに邪魔されてしまう。身は淡白で高価だから、なかなか堪能した気分になれない。美味しいであろうという味の期待値と現実がこれほど解離した食べ物も少ない。

ある日、伊勢志摩のホテルに泊まったとき、ホテル内のレストランで伊勢海老のクリームスープ(あまりに有名なのでご存知の人も多いと思うが)を注文した。このスープを一口含んだときに伊勢海老の旨みが濃厚なスープの中に凝縮されているのを感じた。一口、また一口と飲むごとに今まで抱いていた伊勢海老への飢餓感が満たされ、癒されていくのが分かった。スープを飲み終わったときには、長年抱いてきた飢餓感から開放されていた。このスープは伊勢海老を殻ごと野菜と一緒に炒め、チキンブイヨンを加えてスープにしたものだ。だから、伊勢海老とは本来関わりのない食材が多く含まれている。しかし、それにもかかわらず、伊勢海老の美味さはこうであろうと強調してみせたところにこのスープの面白さがある。缶詰も売られているが、お勧めではない。やはりレストランで伊勢海老のアメリカンソース(伊勢海老を一匹使ったグリル料理)などと共に召し上がっていただくのがいい。

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