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香杏舎ノート

第10回「ビール」

週に一度はのぞく寿司屋がある。親父の代からだと40年、私が通いだして20年になる。以前は夕方の五時にもなると行列ができるほどの繁盛店だったが、今は景気のせいか、それほど混んでない。店に入るとまずビールを注文する。酒は飲めないほうなので小ビン。それに熱いお茶をもらう。ビールとお茶をなぜ一緒に注文するのか。じつはビールだけを飲むと体が冷えて頭痛がしたり、しんどくなるからだ。たかが小ビンくらいで体が冷えるはずもないと思われがちだが、私のように冷えてしまう体質の人もいる。ビールを飲んで少し熱いお茶をのむ。またビールを飲むといった具合に飲んでいく。すると冷えなくてすむ。冬は焼酎の薄いお湯割りにしているが、夏はやはりビールが飲みたい。そんなに苦労してビールを飲まなくてもと言われれば、ゴメンなさいと言うほかない。

ビールは体を冷やす

ビールというのは体を冷やしやすい飲み物だ。大ジョッキに二杯や三杯ビールを飲むのはわけないが、もしそれが氷水だったら二杯も三杯も飲むことができるだろうか。とてもできないはずだ。何故か。それはビールには炭酸が入っているためだ。炭酸が入っていると冷たさを感じにくくなる。さらにビール中のアルコールによって体が温もる。だから氷水は飲めなくてもビールなら飲めるわけだ。

冷たい飲み物が、どれほど体を冷やすか実験したことがある。18度の水をコップ一杯いっきに飲んでもらう。すると体温が0.6から0.8度も下がる。しかもすぐには体温がもどらない。たったそれだけの量でも体は冷える。ビールはもっと冷えた状態で大量に飲まれることが多い。だから体温がかなり下がることは間違いない。

夏の暑い日にシャワーを浴びると、その時は熱いがあとで涼しくなる。皮膚の血管が開いて体温を放出させるからだ。これと同じことでアルコールを飲むと血流がよくなり血管が開くことで体温が上昇するのだが、その後、体はかえって冷える。おまけにビールはアルコール度が低いので冷酒やウイスキーに比べて液体として飲む量が格段に多い。だから気づかないうちに冷えてしまう。体が冷えると頭痛、肩凝り、下痢、腰痛などさまざまな症状がおこってくる。

「私はビールで冷えません」という人も多いに違いない。そういう人はそれでいい。人によって体質が違うからだ。ただビールをがぶ飲みして気がつかないうちに体調をくずしていることもある。「昨日の酒が残る」とか「悪酔いした」ときなど酒の飲み過ぎだと考えがちだが、アルコールではなく、冷えが原因のことが多いのも事実だ。

特に夏の暑い日、汗をかいたままエアコンのよくきいた部屋で冷たい生ビールを飲む。すると濡れた下着がエアコンで冷やされ、その上ビールで胃を冷やす。そういう条件のもとでは誰でも冷えて調子が悪くなる。
とても暑がりの友人がいる。冬でも素足で布団から足を出して寝る。いつも体に熱がこもっている。こういう体質を漢方では熱症というが、熱症の人は冷たいビールを飲んでもこたえない。この友人でさえ、ときおり悪酔いする。エアコンのききすぎたスナックで早いペースでビールを飲んだりした時におこる。こういうのが冷えによる悪酔いだ。

冷たい物がおいしいのは体を冷やすから

ビールに限らず冷たい飲み物がおいしいのは、のどの乾きをいやすだけでなく体温を下げてくれるからだ。風呂上がりに冷たいお茶を飲んだりすると、とてもおいしい。だからつい飲み過ぎてしまう。
夏の暑いときは一杯目は冷たいビールを一気に飲んでもよい。でもそれからはあまり早いペースで飲まないように注意しよう。ビールは冷やし過ぎて飲むと旨味もわからなくなるから少し室温においてから飲むとよい。

夜のつきあいの機会が多い営業の人にこの話をした。その人によると接待は食事で始まる。食事の時はたいていビールを飲み、その後クラブで水割りを飲む。「冷たいものばかりだから途中で熱いウーロン茶などを飲むといいですよ」といった。さっそく実行したところ「酒が明日に残らなくて楽だ」と言われた。ウイスキーのお湯割りを飲むのもいいし、帰りがけにラーメンの夜食を食べるのもよい。冷え過ぎないという気持でビールを楽しむといい。

私の経験

大学生の頃、真夏に山に登った。山道を登っていくと木の伐採をしている人たちが弁当を食べていた。焚火をしてヤカンを火にかけている。そばを通ると「にいちゃん、熱いお茶あるよ。」という。「つめたいお茶を水筒にもっていますから」と断ると「熱いお茶、これがええんやが」という。そのときはなんでこんな時に熱いお茶を飲まなければならないのだろうと思った。だが最近になって、きつい仕事をしているときに冷たいお茶を飲むと体が疲れるからだと理解できるようになった。

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