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保険漢方の終焉

第8話 保険漢方医の不思議な自信

私は漢方医向けの講演をしてこなかった。銀行や企業から依頼されて一般の人への講演はこなしてきたが、多人数を集めた漢方メーカー主催の講演会は情報伝達の場所として適当ではないと思っていたからだ。
しかしながら、私の師匠である山本巌先生の弟子からの依頼があり、20年ぶりに講演に出かけた。

講演後の懇親会で一人の漢方医が私の所に来た。「先生もなかなか漢方に詳しいじゃないですか。」という。その先生は保険のエキス漢方だけで診察している先生だった。私は自分で薬を作り、自費だけで診療している。それなのに保険の漢方医からどうしてそんな風に言われるだろう?

漢方は素人でも学べる

一般の人は驚くかもしれないが、漢方は素人でも学べる。患者さんで中医師の資格がありますと資格証を見せてくれたのは税理士の先生だ。衆方規矩が愛読書というマーケティングの学者もいる。
何故、素人でも学べるかといえば、漢方が科学の発達していない時の学問だからだ。

西洋医学が一般の人にとって何故難しいかといえば、 理論と学術用語をマスターしなければならないからだ。生化学、免疫学、病理学といった学問の理論と用語を知らなければ理解できない。
中医学の根本は四柱推命で、日本漢方には理論らしい理論はない。ただ読んでいってわかった気になっても実際に臨床に使えるかとなるとそうではない。漢方は豊富な経験がものをいう医学で、いくら古典の知識があっても役に立たない。勉強好きな人ほど古典にのめり込むが、例えばアトピーの治療法が古典に書いてあるわけではない。最近起こってきた病気だからだ。抑肝散は老人性痴呆に効くと宣伝されているが、子供の引きつけに使われていた薬で、どこにも老人性痴呆に効くとは書いていない。

何が言いたいかというと、漢方の本は臨床経験なしに読んでいくことができるということだ。
ただし、古典に書いてある処方が効くとは限らないし、生薬の知られていない作用が臨床で見つかったりすることもある。医者でも保険漢方薬に限らず保険にない漢方の話をすることはとても容易だ。だが実際には使ってもいない処方の話をしても、それは畳の上の水練でしかない。

メーカーは講演会を一つのイベントとして捉えているようだ。保険外の薬の使い方は必要ない。ともかく人を集めて欲しい。多分、私に声を掛けた先生は講師を務めることもあるのだろう。医者は講演して講師料をもらえば漢方のエキスパートになった気になれるのだろう。

漢方メーカーの営業担当者の自信

保険薬という狭い範囲の中で医者が勘違いをしているように、大手漢方メーカーの販売担当者も幻想を見ているようだ。

私が銀座で開業するという話を聞いた友人は、一番先に大手漢方メーカーがご挨拶と称して偵察に来ますという。自費診療している私の所に来るはずがないと思ったが、本当にやって来た。40歳くらいの女性だった。「残念ですね!先生みたいに漢方に詳しい方が弊社の薬を使われないなんて!」そういって帰っていった。

私は市井の漢方医で、いつも怯えながら暮らしている。漢方の将来がどうなるのか? 患者さんを少しでも上手く治せなかったらすぐに棄てられてしまうことも知っている。

いずれにせよ私は漢方メーカーと保険漢方医の楽しい宴に乱入してテーブルをひっくり返すつもりはない。私には関係のないことだから。
ただ残念なのは、漢方薬の本当のすごい効果を医者も漢方メーカーの担当者も知らないことだ。

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